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日本代表 3年前

「話にならない…」日本代表なぜ完敗したのか? 欠如した臨機応変さ、監督の采配はまず問題だが…【コラム/W杯アジア最終予選】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka

失点の発端は…



 その結果、大迫-鎌田大地という中央のホットラインを失った。となれば、外から攻めるしかないが、相手がゴール前で守備ブロックを形成していたら、クロスを入れてもそう簡単には決められない。もともと日本代表が高さで競り勝つのは厳しいが、スペースがない状況ではなおさらだ。そんな悪循環が続き、シュート数でも相手に上回られた。

 唯一の決定機は前半28分。吉田のロングパスに伊東純也が反応し、相手の背後を取ってフリーになった。しかし、シュートは惜しくもGK正面に飛んでしまった。

「麻也君からいいボールが来て、トラップもうまく行って、DF2人の間でうまく受けてシュートも入ったと思ったけど……。非常に残念です」と背番号14も悔しさを吐露した。

 膠着状態のまま迎えた後半。森保監督は古橋亨梧を左サイドに投入し、攻撃に厚みを加えようと試みた。開始6分に長友がPKを取られたシーンはオンフィールドレビューによって覆る。運を味方につけてギアを上げたかったが、なかなかうまく行かない。伊東と堂安律、鎌田と久保建英という指揮官の型通りの交代も相手に読まれ、劇的な改善にはつながらなかった。

「最悪、勝ち点1でもOK」という空気が流れつつあった終盤の後半44分、日本に犯してはいけないミスが出た。

 発端は遠藤のクリアを相手に拾われたこと。右に開いたサラー・サイド・アルヤヒアエイに古橋や柴崎らが対応したが、アルヤヒアエイがアルシャド・サイド・アルアラウィにいったん預け、タッチライン際を一気に抜け出したことで日本は大ピンチに陥った。柴崎がマークに行くも間に合わず、クロスを上げられ、吉田と植田直通の真ん中を途中出場のイサム・アブダラ・アルサビに割られた。そして、絶対に与えてはいけない1点を献上したのだ。

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