フットボールチャンネル

メッシも機能不全…PSGの最強3トップはなぜ機能しなかった? 時間が解決してくれるのか…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

機能不全は時間が解決するのか?



 この3トップと対峙する上で気を付けなければいけないことの1つはカウンターだ。ボールを持つ時間が長くなれば、カウンターを受けるリスクは大きくなる。しかし、クラブ・ブルージュは勇敢にもそういった戦い方を選んだ。簡単に蹴りだすことなくボールをつなぎ、高い位置からプレスをかけてPSG陣内に押し込んだ。

 すると、27分、クラブ・ブルージュは左サイドに突破口を見つけた。エドゥアルド・ソボルがオーバーラップして左サイドを突破する。1トップのチャールズ・デ・ケテラエルがDFラインを引き下げると、キャプテンを務めるハンス・ヴァナケンがグラウンダーの折り返しを右足で合わせた。シュートはプレスネル・キンペンベに当たってコースが変わり、ゴールに収まった。

 PSGもボール保持率を高めて主導権を握ろうとしたが、2点目が遠かった。同点ゴールの前の23分にはメッシのパスを受けたムバッペが決定機を迎えたが、シュートは惜しくも正面に飛ぶ。同点となって間もない29分には、ネイマールからパスを受けたメッシが、右のハーフスペースからドリブルで切り込む。左足でファーサイドを巻くようなシュートを放ったが、ボールは惜しくもポストを叩いた。

 マウリシオ・ポチェッティーノ監督はハーフタイムに2枚の交代カードを切る。ダニーロ・ペレイラとユリアン・ドラクスラーを入れる。しかし、後半立ち上がりにいきなり2つのピンチを許し、カウンターのチャンスでムバッペが負傷。3トップの一角を失ってしまった。

 マウロ・イカルディを入れたが、得点の糸口は見いだせず。時間の経過とともにPSGは勢いを失った。データサイト『WhoScored』によると、30分以降のシュート本数は13対6でクラブ・ブルージュが上回っている。

「彼らが理解を深めて機能するようになるには、時間が必要だ。それは明白で、私たちはそれをここのところ言ってきた。まだチームを作らなければいけない(段階な)んだ」

 試合後にポチェッティーノ監督はそう述べた。ただ、時間が勝手に解決してくれるわけではない。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top