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マンUにうんざり…タイトルと無縁の道を進むのか。アタランタ戦の逆転勝利は“当たり前“【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

逆転できて当たり前



 最終的にユナイテッドはマーカス・ラッシュフォード、ハリー・マグワイア、C・ロナウドが後半に点を奪い逆転勝利を収めることができた。その結果だけを見れば「よく2点ビハインドからひっくり返した」となるが、正直なところ逆転できて当たり前。むしろ1点差での勝利に終わったことを恥ずべきと言わざるを得ない。

 決してアタランタを軽視しているわけではない。しかし、“この日の”同クラブにはユナイテッドの攻撃を耐え凌ぐほどの力はなかった。ハンス・ハテブール、ロビン・ゴゼンス、ラファエウ・トロイ、ベラト・ジムシティと主力DFに離脱者が相次いでおり、前半獅子奮迅の活躍で無失点に貢献していたメリフ・デミラルも負傷で45分間のみのプレー。あまりにも厳しい状況だった。

 アタランタの3バックは後半、マルテン・デ・ローン、ホセ・ルイス・パロミーノ、マッテオ・ロヴァートの3人で形成された。しかし、ご存じの通りデ・ローンの本職は中盤。今季エラス・ヴェローナから加入した21歳のロヴァートはここまでセリエAの出場が29分間のみとチームに馴染んでいる途中で、チャンピオンズリーグ(CL)はこれが初体験。完成度が高いとは、とてもではないが言えなかった。

 それに対しC・ロナウド、ラッシュフォード、ブルーノ・フェルナンデス、メイソン・グリーンウッド、さらにジェイドン・サンチョやエディンソン・カバーニ、ポール・ポグバらを揃えるユナイテッドのオフェンス陣。この戦力で逆転できていなかったらそれこそ大問題である。しかもホームでの一戦なのだから。

 結果的に勝ったのはユナイテッドだが、讃えられるべきはギリギリの戦力ながら善戦したアタランタと言えるだろう。スールシャール監督率いるチームは相手に自信を与えてしまった。

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