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日本代表、前代未聞の移動トラブルも「想定外があって当たり前」。森保一監督は前日合流組を起用するのか?

text by 編集部 photo by JFA

森保一
【写真提供:JFA】



 日本代表は11日にカタールワールドカップのアジア最終予選でベトナム代表と対戦する。

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 アウェイゲームであるうえ、日本にとってはさらなる逆境が待ち受けていた。オランダから9日に合流予定だった欧州組11選手がチャーター便のトラブルに見舞われ、途中給油地のロシアで約10時間の足止めを食らってしまったのである。

 DF吉田麻也やDF冨安健洋、MF南野拓実ら多くの主力選手が乗ったチャーター便は、9日深夜にベトナムに到着。結局、合流予定だった同日の練習に参加できず、欧州組の11人は10日の前日練習のみでベトナム戦に臨むことになってしまった。

 森保一監督は10日に行われた記者会見で選手たちの合流遅れに関して「予定されていたチーム全体の練習ができなくなってしまったところがあります。が、もう起こってしまったことは仕方ないと思います」と述べた上で、それに影響されずいつも通りの準備を進めていくことの重要性を強調した。

「我々が試合で勝っていくため、大きな目標を達成するためには、こういうアクシデントであったり、想定外に起こるようなピンチを乗り越えて試合に勝っていかなければならないと常日頃から思っていますので、起こったことをしっかりリカバリーして明日の試合で勝利できるようにしたいと思います」

 9月と10月は2連戦の初戦を落としており、それがワールドカップ出場権争いで後れを取る要因になっている。多くの選手たちが集合して最初の試合に向けた準備の大切さを口にしていた状況で、前代未聞のトラブルが起こってしまった。

 しかし、森保監督は「想定外のアクシデントがあって当たり前だと思いますので、そこをみんなで乗り越えていこうということで、ポジティブにプレーできるようにしたいと思います」と、選手たちに前向きに捉えることを求める。

 では、吉田らオランダから移動してきた11人の選手たちは前日練習のみの調整でベトナム戦に出場できるのだろうか。森保監督は「明日のメンバー選考の中で(11人は)プレーできるということで考えていきたい」と話す。

 コンディション面への懸念については「機内にとどまらなければいけなかったのは非常にストレスがかかるかなと思っていましたが、実は休む時間ができた」と指揮官は明かす。狭い空間の中ではあったが、実質的に8日と9日の2日間がオフのような形になり「選手たちは機内でもそれぞれ工夫して、リラックスしながら、非常にいい休養を取れたと聞いています」とも述べた。

「プランが予定通りに進まない時に、そこでイライラしたり、焦ったり、ストレスを感じるのではなく、起こっている現実を受け入れて、その中で我々が何ができるかということ。次に向けて何ができるかを、選手たちには働きかけていきたいと思っています」

 森保監督がわざわざ求めずとも、選手たちは自発的に最善の準備を尽くしてくれるはず。トラブルはつきものとして気持ちを切り替え、ベトナム戦で日本の強さを見せつけてもらいたいところだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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