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日本代表 2年前

日本代表、「塩試合」連続の原因は? 多くを期待するのは無理。戦術を深める時間がないなら…【西部の目/W杯アジア最終予選】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

戦術を深める時間がないなら…

 5-3-2で構えるベトナムに対して、左の中間ポジションに南野、右は田中碧という左右非対称の形で攻め込む。左サイドは長友佑都が幅をとり、さらに守田英正がサポート。右は伊東がサイドに張って山根が後方支援というバランスだった。

 中間ポジションにいる選手に鋭いパスをつけるのは、田中が本来得意とするプレーなのだが、本人が中間ポジションで受けに回っているせいか、あまり良いパスが入らない。

 41分にロングカウンターから伊東が独力で持ち込み、強烈なシュートを叩き込むが、長いVARによる確認とオンフィールドレビューを経て、オフサイド判定でノーゴールとなった。

 後半も日本代表は攻め込むが有効な崩し少なかった。左サイドが中山雄太と浅野拓磨のコンビに代わり、中山のパスで浅野を走らせる意図はみえたものの、それに付随する次のオプション、さらに次という攻撃の広がりはなかった。

 戦術を深化させる時間がないので仕方ない面はあるが、それなら今回多く選出している川崎フロンターレのメンバーに委ねたほうがスムーズだったかもしれない。攻撃の狙いが1つだけで、その裏さえないので、どうしても単発的になってしまっていた。

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