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まだ長友佑都を使うのか。すべてで上回った中山雄太、それでも35歳の重鎮が使われ続けるのは疑問【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Getty Images
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【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップカタール2022・アジア最終予選グループB第6節のオマーン代表対日本代表戦が現地時間16日に行われ、日本代表がアウェイで1-0の勝利を収めた。後半開始から出場して決勝アシストをマークした三笘薫の活躍に注目が集まるが、ゴールの起点となった中山雄太の存在も大きかった。

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 前半、攻撃の形を作ることができなかった日本代表は、柴崎岳を前半で下げて三笘を投入する。三笘が早速、得意のドリブルを活かして流れは日本代表に傾きつつあった。62分には長友佑都と南野拓実を下げ、中山雄太と古橋亨梧がピッチに入る。左サイドバックに入った中山は、攻守において存在感を示した。

 中山はまず、68分に攻撃で前任者との違いを見せつけた。冨安健洋からパスを受けた中山は、左足で前線に浮き球のパスを送る。DFラインの裏に走った古橋はこれを難しい体勢で収め、ミドルシュートを放った。惜しくもこれは相手選手にブロックされ、古橋の動き出しがオフサイドとなったが、中山の視野の広さと正確な左足のキックが、攻撃の起点となったシーンだった。

 75分には中盤から左足でクロスを上げる。これは相手に跳ね返されたが、こぼれ球を拾ってミドルシュートを狙った。三笘とともにアグレッシブな姿勢を見せ、日本代表に漂っていた停滞感を払拭していた。

 決定的なシーンは81分に生まれた。中山が敵陣でボールホルダーに寄せてボールを奪うと、近くにいた三笘にパスを送る。三笘はペナルティーエリア内からゴールにクロスを入れると、ゴール前に飛び込んだ伊東がこれを押し込んだ。決勝点の起点となったのは中山の守備だった。

 前半は日本代表がボールを持つ時間が長かったが、その大半は最終ラインでボールを回す時間に費やされた。敵陣に入ってもシンプルにクロスを入れるだけで、中央に人数を割くオマーン代表の守備陣の思う壺となっていた。三笘が後半開始から入ったことで変化は生まれたが、その後方に中山が入ったことで、攻撃は鋭さを増した。

 最終予選での長友佑都は低調なパフォーマンスを見せることも多く、最終予選では6試合中5試合で途中交代となっている。対照的に出場機会を伸ばしている中山は、比較的出場時間の長かった11月の2試合においては攻守において長友を上回るパフォーマンスを見せた。

 突破力に優れる三笘を活かすという意味でも、後方からの組み立てや対人守備に優れる中山との起用が望ましい。東京五輪をともに戦った時間というアドバンテージも、日本代表では活かされるはずだ。今後も35歳のベテランが起用されるというのであれば、疑問を抱かざるを得ない。

【了】

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