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日本代表 2年前

三笘薫と古橋亨梧は武器の威力が違う。それでも定まらないサッカー日本代表の武器の活かし方【西部の目/W杯アジア最終予選】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

流れを変えた三笘薫と古橋亨梧



 後半から柴崎に代えて三笘薫が登場すると、流れが一変する。

 三笘の仕掛けるドリブルでゴールに迫るようになり、49分には遠藤と南野拓実が相次いでシュートするが、南野の至近距離からのシュートはゴール前を通過。大迫勇也とGKが交錯してこぼれたボールを南野が狙ったのだが角度が狭かった。ファーポストの前にいた伊東が気づいていれば触るだけで1点だったが、倒れているGKの体で南野のシュートの出どころが全く見えなかったのだろう。

 62分に長友→中山雄太、南野→古橋亨梧。これで攻勢に拍車がかかる。

 左は三笘の個人技で十分チャンスは作れるので、中山は後方支援で問題ない。もともとSBには時間があるマッチアップでもあり、ゲームを作れるタイプの中山の良さが発揮される。左は中山と三笘の関係で相手を引きつけられるので、テンポよくサイドチェンジすれば右の伊東にはスペースが与えられる。前半は手詰まりだった右サイドも蘇りそうな流れになっていた。

 さらに素早い動きで裏をつく古橋が登場したことで、オマーン代表のディフェンスはラインコントロールがしにくくなった。68分には古橋が中山からのロングパスを引き出してペナルティーエリアに侵入。オフサイドだったが個ではがせる古橋も攻撃を活性化させていた。

 81分に中山の巧妙なパスで三笘がゴールラインまで持ち込んで押し返し、DFの背中側から飛び出した伊東が押し込んでゴール。そのまま1-0で勝利した。

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