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田中亜土夢「お前、34歳なのに…と思われたかも」。フィンランド6年目、日本にはないプレー環境とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

欧州カップ戦で受けた刺激

「フィンランド5シーズン目は得点+アシスト合計2ケタ」を目標に掲げ、高い領域に上り詰めようと考えたのだ。契約が同年7月末までだったこともあり、「夏まで完全燃焼した後、欧州や中東など未知なる国へ移籍する道を選んでもいい」というビジョンも浮かんでは消えていたが、シーズン途中に2022年末まで契約を延長。HJKで腰を据えて戦い続ける覚悟を決めた。

 だが、その矢先にひざを負傷。ピッチから遠ざかることになってしまったのだ。

「7月27日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)予選・マルメ戦でした。後半残り5分ほどのところで下がったんですが、全治3か月と診断され、長いリハビリを余儀なくされました。復帰したのは、10月27日のFC INTER戦。復帰後はリーグ戦3試合とUECL3試合に出ました。

 12月9日のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)・LASK戦では中村敬斗君との日本人対決も実現しました。若く勢いのある彼のゴールを目の前で見せつけられて、『これは負けてられない』と燃えるものがありました。シーズン通しては『2021年・2ケタ』という目標には届かず、悔しさもありましたけど、中村君からいい刺激をもらえたのは、大きなプラスでしたね」と本人は前向きにコメントしていた。

 苦境のシーズンの中にも新たな発見はあった。最たるものが、ボランチで新境地を開拓したことだ。負傷前の5月からこれまでのアタッカーから一列下がってプレーするようになり、持ち前のボール奪取力や球際の強さを存分に発揮したのである。

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