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旗手怜央のパフォーマンスは下り坂。前半のみで交代、薄れるインパクト。サッカー日本代表への影響は…【分析コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

日本代表招集への影響は?

旗手怜央
【写真:Getty Images】



 不調の要因が休みなくプレーし続けてきたことによる勤続疲労なのか、あるいは別のところにあるのかは、本人にしかわからない部分もある。少なくとも試合のパフォーマンスから見える事実として、最も輝いていた時の旗手には程遠いということだけは言える。

 ここで懸念されるのはセルティックでの今後だけでなく、日本代表招集への影響だ。中盤のみならず左サイドバックでもプレーできる旗手は、3月24日にカタールワールドカップアジア最終予選でオーストラリア代表との大一番を迎える日本代表の貴重なオプションになれる存在だ。

 左サイドバックの絶対的な主力であるDF長友佑都が実戦復帰したばかりでコンディションに不安があることを考えると、複数ポジションをこなせる旗手に声がかかってもおかしくない。1月の日本代表招集はセルティック移籍直後ということで見送られたが、森保一監督の構想には入り続けている。

 とはいえ、最近のパフォーマンスを考えれば代表ウィークを利用していくばくかの休息を与えてもいいのではないかという気もする。スコットランドからオーストラリアまで片道24時間以上かかるであろう過酷な長距離移動がコンディションに及ぼす影響を考えても、万全ではない旗手を招集することのリスクは大きい。

 3月24日のオーストラリア代表戦と同29日に行われるベトナム代表戦に向けた日本代表メンバーは、16日に発表される。旗手がダンディー・ユナイテッド戦で見せたパフォーマンスは、クラブと代表の双方で今後の起用を考え直すきっかけになるかもしれない。

 もし日本代表に合流してさらにコンディションを落とし、セルティックで定位置を失っては元も子もない。特にクラブでは国内リーグと国内カップ戦、2つのタイトルを目指した戦いが続き、宿敵レンジャーズとのダービーマッチは少なくとも3回(レギュラーシーズン第32節、プレーオフ、カップ戦準決勝)残っている。

 これからセルティックと日本代表の両方で爪痕を残していくためにも、まずは旗手が絶好調時の状態を取り戻せる策をクラブと代表が手を取り合って考えていくべきだ。

(文:舩木渉)

【了】

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