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レアル・マドリードの強さは都市伝説級。「ベルナベウの90分は長い」を証明、再び起こした奇跡【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

明暗を分けた選手交代



 スコアレスで前半を終えたマドリーとシティは、後半に入っても一進一退の攻防を繰り広げた。その中で先にスコアを動かしたのはアウェイチーム。73分、ベルナルド・シウバからのパスを受けたリヤド・マフレズがニアサイドに強烈なシュートを叩き込んだ。

 マドリーは厳しかった。2戦合計スコアを3-5とされただけでなく、内容でもシティを上回ることができていなかったからだ。試合後に「世界中が試合はほぼ終わったと思っていた」とカルロ・アンチェロッティ監督が話した通り、“さすがの”マドリーでも今回ばかりは…と思った人は多かったはずだ。

 しかし、“さすがは”マドリーだった。勝敗が決しようとしていた90分、途中出場のロドリゴ・ゴエスがゴールネットを揺らすと、91分に再びロドリゴが値千金の同点ゴールを奪取。延長戦に進むと、95分にPKをベンゼマが沈め、なんとスコアをひっくり返したのである。

 結果論になってしまうが、選手交代がこの試合の明暗を分けたと言っていい。アンチェロッティ監督が送り出したロドリゴは2ゴールで決勝進出の立役者になり、75分からピッチに立ったエドゥアルド・カマビンガは非凡な推進力を発揮するなど存在感を示した。

 一方、ジョゼップ・グアルディオラ監督が送り出した選手たちは凡庸なパフォーマンスに終始。イルカイ・ギュンドアンとオレクサンドル・ジンチェンコは得点に絡んだが、マフレズに代わったフェルナンジーニョはそれほど効果的ではなく、ジャック・グリーリッシュは決定機を逸しただけでなく守備強度も低かった。ラヒーム・スターリングに関しては、ほぼ何もできていなかった。

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