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ドイツ代表はゴール前で迫力なし。何が足りないのか? 新スタイルは徐々に浸透も、イタリア代表に勝てず【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

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UEFAネーションズリーグAグループ3第1節、イタリア代表対ドイツ代表が現地時間4日行われた。試合は1-1の引き分けに終わったが、ドイツ代表は就任から1年経たずしてハンジ・フリック新監督の志向するサッカーのスタイルがチームに浸透していた。しかし、ワールドカップを勝ち抜くためには、ゴール前の迫力が少なすぎた。(文:安洋一郎)


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【写真:Getty Images】


 カタールワールドカップ出場を逃したイタリア代表と11月に本大会が控えているドイツ代表。UEFAネーションズリーグAグループ3の初戦で相まみえた両チームは、「どこに強さのピークを持ってくるか」という視点では強化のアプローチの方法が違う時期に差し掛かっている。
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 それはスタメンの構成にも違いが表れており、ロベルト・マンチーニ率いるイタリア代表は2年後のユーロ(欧州選手権)と4年後のワールドカップに向けたチーム作りが始まっている。マンチーニ監督はまだ代表経験の浅いアレッサンドロ・バストーニやサンドロ・トナーリ、ダヴィデ・フラッテージ、ジャンルカ・スカマッカといった選手を先発に抜擢している。

 一方、ハンジ・フリック率いるドイツ代表は、マヌエル・ノイアーやヨシュア・キミッヒ、トーマス・ミュラーら指揮官がかつて率いたバイエルンの選手を中心に据えた現状のベストメンバーで今節に臨んだ。

 試合はイタリア、ドイツ共に前線からプレスに行くアグレッシブなサッカーを展開。70分までスコアレスだったが、今節が代表デビューだったウィルフリード・ニョントの仕掛けとクロスからロレンツォ・ペッレグリーニのゴールが生まれ、イタリアが均衡を破った。だが、その直後にキミッヒのゴールでドイツが追いつくなど、90分を通して一進一退の攻防が続くゲームとなった。

 試合はこのまま1-1で終了。引き分けとなったが、内容面では両チーム共に「展開したいサッカーのスタイル」や「選手起用」で成果が出ており、価値のあるドローとなっている。

 2大会ぶりのワールドカップ優勝を目指すドイツ代表が、この試合でみせた本大会までに仕上げたい「自分たちのスタイル」とは何だったのだろうか。

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