1000万円超の負担も…。Jリーグを襲う理不尽な新制度とは? クラブや選手、ファンにまで悪影響が及ぶインボイス制度の問題点【コラム】

2022年08月05日(Fri)8時00分配信

text by 中村僚 photo Getty Images
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インボイス制度の仕組み



 インボイス制度が施行されると、上記計算式に影響が出てくる。まず年俸1000万円以下の選手が、インボイス発行のために課税事業者になることで、消費税納税義務が発生する。年俸880万円の選手なら80万円の消費税だ。もちろん練習着を購入したり、コンディション維持のためにジムを使ったりすればその経費は差し引くが、目安としてはこの金額になる。

 インボイス制度施行後も、インボイスを発行せず、免税事業者のまま選手を続けることもできる。その場合、引き続き消費税納税は免除される一方で、問題になるのは年俸を支払うクラブだ。上記計算式で考えてみよう。

 売上2200万円のクラブが、年俸880万円で選手と契約しているとする。この時、選手へ支払っていた880万円のうち、1/11である80万円は、消費税納税額から差し引くことができる。上記の式の「-仕入×1/11」の部分である。これを「仕入れ税額控除」という。現行制度では、免税事業者への発注でも仕入れ税額控除を適用 することができ、80万円を「支払った消費税」とみなして納税額から差し引くことができる。

 ところがインボイス制度が施行されると、年俸1000万円以下の選手への支払いを仕入れ税額控除に適用できなくなる。上記の計算式から「-仕入×1/11」がなくなり、200万円がそのまま消費税納税額になる、ということだ。

 つまり、選手が課税事業者になりインボイスを発行すれば選手への消費税増税。選手が免税事業者のままでいれば、選手へ年俸を支払うクラブに対する消費税増税、ということになるのだ。

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