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古橋亨梧、旗手怜央らの前に立ちはだかった最強の壁。セルティックとレアル・マドリードの埋めがたい差とは?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

序盤からチャンスを作ったセルティック


【写真:Getty Images】



「我々にできるのは、勝利に対して自信を持つことではなく、自分たちのパフォーマンスをコントロールすること。プレーするすべての試合を自分たちのやり方で戦い、可能な限り最高のものを見せたい。

我々はこれまでの全ての試合でそうしてきたし、(優勝した)昨季がまさにそうだった。そして、明日の夜も同じようにやっていくつもりでいる。我々はただ、自分たちのサッカーを見せて、可能な限り最高のチームになりたい。最終的な結果は、素晴らしい、そして力強いパフォーマンスの先にあるものだ」

 何度同じような言葉を聞いてきたか。だが、ポステコグルー監督は横浜F・マリノスでもセルティックでも、その言葉に嘘のない戦いを披露し続けてきた。もちろんマドリー戦も、やれるだけのことはやった。

 結末は0-3の完敗だった。おそらく多くの視聴者がマドリーの勝利を予想しただろうし、番狂わせの期待もありながら、セルティックにとって厳しい戦いになるのは明らかな戦力差がある。そして、マドリーはCLでの戦い方を熟知していた。

 チャンスがなかったわけではない。20分に旗手がマドリーのGKティボ・クルトワを強襲するシュートを放ち、カラム・マクレガーも左ポスト直撃のミドルシュートを放った。後半から途中出場した前田は47分にゴールの目の前で絶好機を迎えたが、ジャストミートできなかった。左肩の負傷が完全には癒えていないであろう古橋も、あと少しでゴールという惜しいループシュートで観客を沸かせた。

 試合後にポステコグルー監督が「どちらかと言えば我々にいいチャンスがあったと思う。だが、それを決めきれなかった。それがこのレベルでの違いだ」と述べた通り。もし先制できていたら、よりオープンな展開になってマドリーにとって難しい試合運びを強いることができただろう。

 セルティックの選手たちには前半からある程度の手応えがあったに違いない。前線からのプレッシングもある程度はうまくいっていたし、ある程度はボールを持って攻撃を組み立てることもできていた。「自分たちのサッカー」がある程度は表現できていた。

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