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バルセロナはなぜ完封負けを喫した? バイエルンとのわずかな差、シャビ監督にとって痛恨だったのは…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

リーグ戦と違ったのは?



 バルセロナは前半、効果的なプレスでバイエルンを苦しめ、ビルドアップ時のミスを誘い、ロングボールも多々蹴らせている。そこでしっかりと回収し、自分たちのチャンスへと繋げることが出来ていた。

 エリック・ガルシアではなくアンドレアス・クリステンセン、ジョルディ・アルバやアレックス・バルデではなくマルコス・アロンソと、この日のバルセロナは高さのある駒を最終ラインに配置していた。このことからも、前から圧力をかけ、相手に長いボールを強制させる狙いを持っていたことが分かる。シャビ・エルナンデス監督にとって、理想的なゲームへの入りだったことは確かだ。

 しかし、“結果”だけが足りなかった。古巣との対戦となったロベルト・レバンドフスキは、気合いが入り過ぎていたか、らしくない決定機逸があり、ドンピシャのヘディングシュートもGKマヌエル・ノイアーに阻まれてしまった。ペドリも9分に絶好のチャンスを迎えていたが、これを決めきれなかった。

 後半に入ってもバルセロナは何度かチャンスを作っている。しかし、ハフィーニャのシュートは枠に飛ばず、ペドリはドフリーでのシュートをポストに当てた。ウスマン・デンベレのドリブルはラ・リーガと違ってあまり通用せず、レバンドフスキはダヨ・ウパメカノのMOM級の対応を前に苦戦と、ここまでほぼ全ての試合で3得点以上を奪ってきたバルセロナの攻撃陣は、バイエルンDF陣を前に普段と違ったような姿を見せてしまっていた。

 一方のバイエルンは前半こそ無得点に終わるも、後半に訪れたチャンスをしっかりと仕留め2点を奪取している。非常にシンプルではあるが、決めるか、決めないかのわずかな差が、この日の勝敗を大きく分けたと言っていい。決定力という個の問題を1人ではなく複数人が抱えていたことは、シャビ監督にとって痛恨だった。

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