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欧州っぽさもある。エクアドル代表のプレースタイルは? 南米予選4位、戦術的な特徴は?

シリーズ:代表プレースタイル図鑑 text by 西部謙司 photo by Getty Images

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サッカーにはその国独自の特徴があり、その頂点に代表チームがある。2022年カタール・ワールドカップに出場する32カ国+αの「プレースタイル」に焦点を当てた『フットボール代表プレースタイル図鑑』(9月20日発売)はその変遷を辿っている。今回は本書のエクアドル代表の項を一部抜粋して公開する。(文:西部謙司)


エクアドル代表がワールドカップに出場できるようになった要因の1つ


【写真:Getty Images】

 2006年ワールドカップ・ドイツ大会でのベスト16が最高成績。ポーランド代表に2対0、コスタリカ代表に3対0と連勝、ドイツ代表には0対3で敗れたが2位でグループを突破した。ラウンド16でイングランド代表に0対1で敗れている。

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 その前の2002年日韓大会は初出場だった。このときはイタリア代表、メキシコ代表に連敗して早々に敗退が決まったが、クロアチア代表に1対0で勝利している。

 エクアドル代表がワールドカップに出場できるようになった要因の1つが、南米予選がホーム&アウェーで行われるようになったことだろう。首都キトは標高2850メートルの高地で、アウェーチームにとっては厳しい環境なのだ。2002年大会の予選ではホームでブラジル代表に歴史的勝利を記録している(1対0)。

 2022年カタール大会予選でもホームでの9戦は5勝3分1敗と強い。ブラジル、アルゼンチンにも1対1で引き分けている。ちなみにホームで負けたのはペルー戦だけ(1対2)。7勝5分6敗、予選4位で通過した。

コロンビア代表と似ている?

 歴代監督はスペイン語を母国語とする人物がほとんどだ。2002年大会のダリオ・ゴメス監督はコロンビア人、06年大会時のルイス・スアレス、14年大会のレイナルド・ルエダもコロンビア人監督である。1995年から2年間率いたフランシスコ・マツラナが最初のコロンビア人監督で、マツラナとスアレスは2回、ゴメスは3回もエクアドル代表監督を務めた。現在はアルゼンチン人のグスタボ・アルファロが率い、スタッフも全員アルゼンチン人である。

 歴代監督にコロンビア人が多かったせいか、ユニフォームの色が同じイエローだからかはわからないが、プレースタイルはどことなくコロンビア代表と似ている。といっても、かつてマツラナ監督が率いた異色のコロンビアではなく、その後のコロンビアだ。統制の取れた守備と鋭いカウンターアタックがあり、ビルドアップも整然としている。南米らしいテクニックもあるとはいえ、ヨーロッパ的な機能性やフィジカルの強さが特徴だ。

 エースは歴代最多35ゴールのエネル・バレンシア。ウェストハム、エヴァートンを経てトルコのフェネルバフチェでプレーしている。32歳とベテランの域だ。ビジャレアルで活躍、のちにブライトンへ移籍した左SBペルビス・エストゥピニャン、レヴァークーゼン所属の20歳のCBピエロ・インカピエも注目されている。

<書籍概要>『フットボール代表プレースタイル図鑑』

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【了】

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