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守田英正がサッカー日本代表で表現した凄み。遠藤航との関係は「無意識のレベル」に到達

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



守田英正が試合展開をコントロール

【日本 2-0 アメリカ合衆国 キリンチャレンジカップ2022】

 キリンチャレンジカップ2022が現地23日に行われ、サッカー日本代表はアメリカ合衆国代表に2-0で勝利を収めた。



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 4-2-3-1の中盤ダブルボランチの一角で先発出場したMF守田英正が、圧巻の存在感を発揮した。タイトな対人守備でチームを引き締め、タイミングを見た攻め上がりで先制点をアシスト。攻守両面にわたる獅子奮迅の活躍で日本を勝利に導いた。

 日本はカタールワールドカップアジア最終予選の中盤以降に定着していた4-3-3ではなく、MF鎌田大地をトップ下に配置する4-2-3-1でアメリカ代表戦に臨んだ。これまで守田、MF遠藤航、MF田中碧の3人が鉄板だったボランチは、守田と遠藤がコンビを組むことに。

 守田、遠藤、鎌田という中央の組み合わせは2021年3月に3-0で快勝した韓国代表戦以来だったが、当時とは全く別次元の連係でアメリカ代表を圧倒した。攻守両面で個々の役割分担が明確かされ、それぞれが自分の仕事をきっちり果たしたと言えよう。

 森保一監督も、守田を「攻守に非常にいいバランスを保ちながら、攻撃から守備、守備から攻撃のつなぎ役になってくれ、左右の展開においても状況を見て、非常にいい関わりをしてくれたと思います。また個々のデュエルの部分でも、(遠藤)航と連係しながら相手のボールを奪いにいくこと、個の部分でも相手を上回るデュエルを強く賢く戦ってくれたと思っています」と褒めちぎっていた。

 相方を務めた遠藤も「自分もうまく間で受けつつ、守田のところもうまく使いつつみたいに、すごくやりやすい」とダブルボランチの関係性に手応えを感じているようだった。そして、守田の成長も実感したようだ。

「彼はもともとあれくらいできますけど、今はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でもプレーしていて、ステップアップして、ボールを持った時の自信や、(パスを)つける場所はすごくよくなっているかなと思っています」

 日本の中盤は正三角形で、アメリカの中盤は逆三角形とシステム的には噛み合う可能性もあったが、「分析で、相手のインサイドハーフが(日本の)サイドバックに対してプレッシャーにいくことはわかっていた」と遠藤は明かす。

 そのためトップ下の鎌田には相手のアンカーがついてくる一方で、日本のダブルボランチはプレスをかけに前へ出た相手インサイドハーフの背後に出ればフリーになりやすい。「自分たち(ボランチ)が、その(相手のプレスの)後にうまくボールを受けられれば、というのはあった。そこはうまくやれた」と遠藤は明かす。

 スタートはダブルボランチが横並びでやや低い位置を取りつつ、相手がプレスに出てきたら、どちらかが前のスペースを使ってパスを引き出す。こうした守田と遠藤の関係性は阿吽の呼吸と言えるまでになってきている。

「僕はボランチで、航くんをすごく信頼していますし、やりやすさは感じている。今日もやりやすかったです」と語った守田は、「たぶん航くんも僕と組んでいたら安心していると思う」という実感を語った。

「だからこそ自分のポジションから前に行きやすいのかなと思います。僕も航くんが6番(アンカー)みたいなポジションを取っているときは、前に行きやすい。そこをうまく補完しながら、意識的にではなくて無意識のレベルでできているんじゃないかと思います」

 守田は自由自在にピッチを駆け回り、まるで意のままに試合展開を操るかのような堂々たるプレーで攻守に躍動した。森保監督は27日のエクアドル代表戦や、カタールワールドカップ本大会でも守田と遠藤のダブルボランチを継続していくだろうか。これからの試合での采配や変化に注目だ。

(取材:元川悦子、文・構成:編集部)

【了】

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