フットボールチャンネル

相手指揮官が語るセルティック日本人3人。南野拓実を指導した男の評価は?【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

初の日本人3人同時先発を勝利で飾れず


【写真:Getty Images】



 前後半で2つの顔を使い分けたライプツィヒと、自分たちのサッカーを貫こうとしたセルティックの地力の差がスコアに表れたとも言えるのではないだろうか。もしオフサイドで取り消されていなければ2点分がライプツィヒに加算されるので、5-1という大差になっていてもおかしくない。それだけの力量差があった。

 セルティックはハイプレスからのカウンターを得意とし、ボールポゼッションも非常にうまい。ただ、国内リーグでは「人数を限界まで増やしてドン引き」という守り方をしてセルティックの強みを消そうとするチームが多く、ライプツィヒのように「相手の武器を潰した上で攻め勝つ」ような志と実力のあるチームとの対戦経験が乏しい。

 ポステコグルー体制下でチームの大半が入れ替わり、CLでの経験が不足している今、なかなか初勝利に届かないのも納得がいく。今回のライプツィヒ戦では貴重な経験を持っていたキャプテンのMFカラム・マクレガーが前半途中に負傷交代を強いられ、劣勢を覆すのはより難しい状況にもなった。

 日本人が3人同時先発というCL史上初の記録が生まれた試合だったが、セルティックの今大会初勝利はお預けに。ただ、決勝トーナメントに進出できるグループ2位のシャフタール・ドネツクとの勝ち点差はまだ3ポイントしかない。

 再びライプツィヒと対戦する次節で今回の敗戦の経験を生かし、何とか初勝利をもぎ取れるか。グループステージ突破への望みをつなぐためにも、セルティックがホームで見せる意地に期待したい。

(文:舩木渉)

【了】

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top