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鎌田大地が止まらない。大活躍の背景は? フランクフルトのキーマンに【欧州CL分析コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

高まり続ける鎌田大地への評価


【写真:Getty Images】



 鎌田も守田もCLの舞台で評価を高めてきたが、特に大きく躍進を遂げているのが鎌田だろう。今季は国内リーグで11試合出場7得点3アシスト、CLで6試合出場3得点、国内カップ戦で2試合出場2得点と、結果を残し続けている。レアル・マドリードと対戦したUEFAスーパーカップも含めると、公式戦20試合出場で12得点3アシストという驚異的な成績だ。

 2列目のシャドーに入った際にチャンスメイクとフィニッシュに数多く絡めるのはもちろん、3列目のボランチで起用されても相方に中盤のリスク管理を任せながら積極的にゴール前へ進出する。複数ポジションを柔軟にこなす鎌田の万能性とチーム内の役割分担、そして周囲からの鎌田に対する信頼といった全ての歯車が噛み合ってこそのパフォーマンスと言えよう。

 ピッチ上での目を見張る好調ぶりに対して、外部からの評価もうなぎ上りだ。独『キッカー』誌の採点では、平均点がブンデスリーガ1部の全フィールドプレーヤーの中で単独1位となっている。さらに、スペインの強豪セビージャやイタリア王者ミランなど、名門クラブからの関心が伝えられる機会も増えてきた。

 スポルティングCP戦でPKを蹴る際にはスタンドの相手サポーターからレーザーポインターの光を浴びせられたが、鎌田は全く動じることなく、ニヤリと笑みすら浮かべた。こうしたメンタル面の強靭さも大舞台での活躍を後押ししているに違いない。

 フランクフルトで戦術・戦略上のキーマンとなって絶好調の鎌田は、カタールワールドカップでもチームの柱の1人として日本代表を高みに導いてくれるはず。スポルティングCP戦でのパフォーマンスによって、大きな期待は確信へと変わった。

(文:舩木渉)

【了】

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