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鎌田大地が止まらない。大活躍の背景は? フランクフルトのキーマンに【欧州CL分析コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

日本人初のCL3試合連続ゴール



 キャプテンマークを巻いたローデがボランチに入ると、鎌田の立ち位置は1列上がり、MFマリオ・ゲッツェと2シャドーを形成することになった。この采配が功を奏し、フランクフルトはスポルティングCPを徐々に押し返していく。

 ボールホルダーに対するプレッシングの連動が高まり、ローデの存在によって強度も向上した。前半よりもボールを奪う位置が高くなり、鎌田やゲッツェがよりゴールに近い場所でプレーに関与できるようになる。

 そして60分、ついに反撃が実る。ゴール前で鎌田と浮き球を競り合ったスポルティングCPのDFセバスティアン・コアテスがハンドを犯し、主審はフランクフルトにPKを与える。これを鎌田がGKアントニオ・アダンの逆を突くひと振りでゴール右に沈め、同点に追いついた。

 試合前にカタールワールドカップに出場するサッカー日本代表メンバー選出が発表されていた26歳のMFは、第4節のトッテナム・ホットスパー戦、第5節のマルセイユ戦に続いて、日本人初のCL3試合連続ゴールを達成した。

 これで勢いに乗るフランクフルトは、72分にFWランダル・コロ・ムアニが豪快なボレーシュートを突き刺して一気に逆転。終盤は必死に食い下がるスポルティングCPをあざ笑うかのようにボールを保持して試合を締め、逃げ切りに成功した。

 前半の劣勢を鎌田のポジション変更で覆し、鎌田が絡んだプレーでPKを獲得、そして鎌田のゴールでクラブ史上初の決勝トーナメント進出への望みをつないだ。この試合のピッチ上で勝敗を分けた最も大きな鍵は、誰がどう見ても鎌田だったと言えるのではないだろうか。

 一方のスポルティングCPにとっては、守田の不在が大きく響いている。CLグループステージ第5節のトッテナム戦で左ふくらはぎを痛めた日本代表MFは、その後の国内リーグとフランクフルト戦を連続で欠場。中盤の人材不足によりバランスを欠いたチームは2連敗を喫し、CLからも姿を消すことになってしまった。

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