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サッカー日本代表、久保建英が見出す攻撃の活路とは?「逆に持っているなと」思った理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

貪欲な姿勢を見せる久保建英の野心



 もう1つ重要なのは、得点に直結するプレーを見せること。2019年6月のエルサルバドル代表戦で初キャップを飾ってから3年5カ月。久保は代表では1点しか奪えていない。6月のガーナ代表戦で長い長いトンネルを抜け出したまではよかったが、そこからゴール量産体制に入れていないのは事実と言える。

 カナダ戦では前半19分に、南野拓実が中盤からドリブルでボールを運んで出したパスに反応。左サイドを駆け上がり、またぎフェイントを入れて左足を放ったが、惜しくも枠を越えていった。

 さらに、南野とハイプレスに行き、奪ったボールを思い切って打ちに行った35分の場面、田中碧の左への展開から強引に打ちに行った前半45分のシーンなど、得点への貪欲さを強く押し出していた。しかし、どれも決め切ることはできなかった。

「今日の試合だったら、まだまだやらなきゃいけないと。もっと本番の相手は強いと思うので」と背番号11は高い領域を見据えた。そのチャンスをモノにできて、初めて「日本代表を勝たせられる存在」になれるのだ。

 年齢こそ最年少ではあるが、久保は10代の頃からスペインで自己研鑽を図ってきた選手。「今度こそ自分が決めて日本を勝利へと導く」といった野心に満ち溢れているに違いない。それをいかにして結実させるのか。そういう意味でも、ドイツ代表戦は非常に興味深い。

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