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疑問が残るPK戦略。サッカー日本代表、PK立候補制の是非。選手にプレッシャーを与える危険性

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



サッカー日本代表、PK立候補制の是非

 サッカー日本代表は現地時間5日、FIFAワールドカップカタール2022ラウンド16でクロアチア代表と対戦した。試合は1-1のままPK戦に突入し、日本代表の敗退が決まっている。勝敗を決したのは、12年前と同じPKだった。



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 試合が終わった今、すべてが結果論であるという前提でしか言えないが、遠藤航の試合後のコメントによると、PKキッカーの人選と蹴る順番は、「蹴りたい人から蹴っていく」というものだった。しかし、この立候補を強いる形には疑問符がつく。

 選手の自主性を尊重する森保一監督らしい決断ではあるが、選手の心理的負担は格段に増す。監督が指名したのであれば選手自身の責任も軽減されるが、選手自身が手を挙げたのであれば、「決めなければいけない」というプレッシャーは増す。責任感がある選手が立候補することになるが、責任感がある選手ほど重圧は大きくなる。

 すべては結果論でしかないが、今回のアプローチに関しては悪手だったのではないだろうか。ベスト8以上という「新しい景色」を見るために準備してきたが、PK戦という十分に想定できるシチュエーションが勝負を分けた。

 結果的に1番手は南野拓実、2番手は三笘薫が立候補し、いずれもセーブされた。途中出場で体力も残っている彼らが、空気感を感じ取って責任を背負ったのだろうか。少なくともPK戦において責めるべきは選手ではない。「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気がある者だけだ」というロベルト・バッジョの言葉が思い出される。

【了】

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