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森保一の噂も…「日本人監督が欧州に行けない背景」シントトロイデン立石敬之CEOが分析する欧州移籍市場の実情とは【3/4】

シリーズ:シントトロイデン立石敬之CEOに訊く text by 元川悦子 photo by Getty Images

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 UEFAチャンピオンズリーグやイングランド・プレミアリーグなど欧州最高峰の舞台でプレーする日本人選手が増えた一方で、欧州主要リーグのトップカテゴリーで指揮を執る日本人指揮官はいない。ベルギーのシントトロイデンでCEO(最高経営責任者)を務める立石敬之氏はこの問題をどう見ているのか、実情と背景を訊いた。(取材・文:元川悦子)


日本人監督が欧州で指揮を執るには


【写真:田中伸弥】

 日本代表コーチにザックジャパン時代の前線の大黒柱・前田遼一氏の加入が決定し、2023年度JFA公認S級ライセンス講習会に元日本代表の明神智和氏、中村憲剛氏、内田篤人氏の受講が決まるなど、日本人指導者の若返りが進みつつある。日本人選手が50人以上、欧州でプレーするようになった今、国際経験豊富な指導者の増加というのは、今後の重要なテーマと言っていい。

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 しかしながら、欧州クラブや代表チームで日本の指導者が采配を振るう道は険しい。というのも、Jリーグの監督に必要なJFA公認S級ライセンスと欧州トップリーグの監督に必要なUEFAプロライセンスには互換性がなく、日本で資格を取っても欧州で監督になれないという現実があるからだ。吉田麻也も「JFAのS級とAFC(アジアサッカー連盟)のプロライセンスは互換性があるものの、UEFAとはまだない。早くその問題を解決できるように、協会にもよりアクションを起こしてほしい」と熱望していた。

 こうした中、「2022年カタールW杯でドイツ・スペイン戦勝利へと導いた森保一監督がシントトロイデン(STVV)の監督になるのではないか」といった報道が流れた。森保監督はもちろんUEFAプロライセンスを持っていないため、普通に考えれば非現実的なこと。しかも指揮官はその後、日本代表監督続投の道を選んだが、欧州での監督就任が叶う可能性はゼロとは言えなかったようだ。

 その実情を今回、STVVの立石敬之CEOに改めて聞いてみた。

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