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限界が見えた?なぜ三笘薫は封じられたのか?今季最低評価、ブライトンが抱える悩み【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

なぜ三笘薫は封じられたのか?



 三笘は立ち上がりから積極的に仕掛けていた。開始わずか1分の場面で、まずは挨拶代わりと言わんばかりにマッチアップしたケニー・テテを翻弄するドリブルでペナルティーエリアに侵入している。さらに、3分の場面では中盤で相手4人を引きつけて逆サイドへ展開し、マーチのシュートへつなげた。序盤の三笘は確実にフラムの脅威となっている。

 その後もいくつもチャンスを作り、フラム守備陣の脅威となっていた三笘だが、時間の経過とともに存在感は薄れていく。データサイト『Sofascore』によると、地上戦デュエルは12戦4勝と分が悪く、試合終盤は仕掛けることができずにバックパスをする場面も目立った。さらに、三笘の評価はブライトンの先発メンバー中最低となる「6.3」。自身のプレミアリーグ平均は「6.98」で、この日の評価は今季最低の数字だった。

 三笘が封じられた理由の1つはフラムの対応にある。まずは右サイドバックのテテがマンマーク気味に監視しつつ、ボールが三笘に渡った瞬間にボランチのハリソン・リードがヘルプに来る。さらに後ろからはハリー・ウィルソンも間合いを詰めて、ペルビス・エストゥピニャンと三笘の縦関係を遮断している。

 デ・ゼルビ監督は62分にエストゥピニャンを下げてタリク・ランプティを入れた。その後は三笘をうちに絞らせ、ランプティをオーバーラップさせる形が何度か見られたが、決定的なシーンはなかなか生まれなかった。

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