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【ニューカッスルの快進撃エピソード2】奇跡の復活劇。1ヶ月の監督不在、その間に何が? 開幕14戦未勝利から残留できた理由

シリーズ:ニューカッスルの快進撃 text by WASSY photo by Getty Images

トリッピアーが果たした役割


【写真:Getty Images】



 買収が完了した直後はネイマールやクリスティアーノ・ロナウドといったビッグネームとニューカッスルを結びつけるゴシップが溢れかえっていた中で、蓋を開けてみると地味な補強が多かったことから、新経営陣がかなり堅実にクラブ運営を進めている、と手腕を評価する声が増えていった。だが実際にはこのマーケットで、欧州でも最高額となる9000万ポンド程を投じており、どちらかといえば“的確な補強”という表現が正しいだろう。
 ハウ監督が求める選手を補強することに成功したチームは、1月下旬から徐々に真価を発揮し始める。

 第23節のリーズ戦でシーズン2勝目を挙げると、そこからの7戦で6勝1分と一気にポイントを稼ぎ降格圏を脱出。3月にチェルシー、エバートン、トッテナムと3連敗を喫し一時的に雲行きが怪しくなったが、4月に入るとトップハーフに位置するウォルバーハンプトンとレスターを立て続けに撃破し、不安を払拭した。

 快進撃の立役者となったのが、冬に加入したトリッピアーだ。右サイドバックとしてスタメンに定着すると、周囲にポジショニングをこまめに指示するなど、すぐにディフェンスラインを統率。熱くなっている味方を落ち着かせ、自分が代表して主審と密にコミュニケーションを取るなど、キャプテンシーを発揮した。

 影響力は守備面にとどまらず、第24節エバートン戦と第25節アストン・ヴィラ戦では2試合連続で直接フリーキックを成功させ、チームを勝利に導いている。経験豊富な彼の存在がチームに“勝者のメンタリティー”をもたらしたのは間違いない。

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