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【ニューカッスルの快進撃エピソード2】奇跡の復活劇。1ヶ月の監督不在、その間に何が? 開幕14戦未勝利から残留できた理由

シリーズ:ニューカッスルの快進撃 text by WASSY photo by Getty Images

ジョエリントンや放出候補が輝きを取り戻した理由



鳴り物入りで加入したギマランイスも、3月頃からスタメンに定着しインパクトを残した。ゲームメイク能力に優れており、いくつかの重要なゴールを自ら決めただけでなく、フォワード陣に正確なパスを供給して幾度となくチャンスを演出。第30節クリスタルパレス戦で、彼のロングパスをディフェンスラインの裏で受けたアルミロンがそのまま独走して決めたゴールは、それを象徴するシーンだ。

2019年の加入以降ストライカーとしてプレーしながらも得点力不足を露呈していたブラジル人FWジョエリントンは、インサイドハーフへコンバートされた。この起用方法は物議を醸したが、強靭なフィジカルを生かしてボールを奪取するだけでなく、前への推進力も兼ね備えるリーグ屈指のボックストゥボックスにわずか数試合で成長。そのほかにも放出候補と目されていたMFライアン・フレイザー、DFエミル・クラフトらが、ハウ監督を始めコーチ陣の具体的な指導を受けて輝きを取り戻した。プレスやオーバーラップのタイミングなど、チームとしての連動が成熟したことで、続々と既存戦力が輝きを取り戻したのだ。

新加入組と既存組がうまく融合したニューカッスルは、第37節でアーセナルを撃破するなど台風の目となる。開幕から14試合未勝利だったチームは残留したことがなく、限りなく達成が難しいチャレンジに思えたが、予想を遥かに上回る11位でシーズンを終えたのだった。

(文:WASSY)

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【了】

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