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【ニューカッスルの快進撃エピソード3】大型補強、守備の整備、そして覚醒。こうして生まれ変わった

シリーズ:ニューカッスルの快進撃 text by WASSY photo by Getty Images

鉄壁の守備を支えているのは…



 このチーム最大の武器は、なんといっても守備力だ。

 ハウ政権では前方からプレスをかけていくシーンが多くなった。3トップが最終ラインに対してプレッシャーをかけ、相手の中盤も他の選手がマークし中央のパスコースをケア。選択肢が限られた相手はサイドに展開するが、ライン際ではサイドバックやインサイドハーフが数的有利な状況を作ってライン側に追い込み、スムーズに攻撃を展開させない。スイッチが入った瞬間に全体が素早く寄せるため、相手が苦し紛れのロングボールに逃れざるを得なくなる場面も多く見られる。もちろんミスを誘えば、一気にショートカウンターのチャンス到来だ。

 ミドルサードまで攻め入られた際には逆にしっかりとブロックを形成する。チームの基本陣形は4-3-3だが、この時は4-5-1のような形となり、中央をしっかり固めるだけでなく、相手のサイドアタッカーに対してはサイドバックとウイング、もしくはインサイドハーフが2人で対応するシーンが多い。

 もちろんこういった守備を実現するためには、選手たちの献身性が必要だ。今季ウイングで起用されているジョエリントンやミゲル・アルミロンらは、最終ラインまでプレッシャーをかけたかと思えば、数秒後には自陣へ戻ってサイドバックのサポートに入るなど、ピッチを縦横無尽に駆け回っている。本職はセンターバックで、決して機動力に優れるタイプではないダン・バーンが左サイドバックとしてプレーできるのも、周囲の選手がサポートに入り常に相手の選択肢を狭めているためだ。

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