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海外サッカー 12か月前

W杯後どう変わった? 強豪国の最新フォーメーション。進化? 劣化? 各チームの狙いとは

シリーズ:強豪国の最新フォーメーション text by 編集部 photo by Getty Images

スペイン代表


監督:ルイス・デ・ラ・フエンテ
結果:3-0(ノルウェー)、0-2(スコットランド)※いずれもユーロ予選
フォーメーション:4-3-3

 21年のユーロ(欧州選手権)では前評判が低いながらもベスト4に進出したスペイン代表だったが、昨年のカタールワールドカップではグループステージ最終戦で日本に敗れるなど苦戦。何とか2位で決勝トーナメント進出を果たしたが、ラウンド16でモロッコに敗れて大会から姿を消した。この責任を負ってルイス・エンリケが監督を退き、年代別代表で指揮を執っていたルイス・デ・ラ・フエンテが新監督に就任した。

 代表引退したセルヒオ・ブスケツからアルバロ・モラタに新主将が受け継がれるなど、新体制となってから大幅に入れ替わっている。ルイス・エンリケ前政権では好不調に関わらず、クラブチームのようにメンバーを固定化して戦っていたことで選外となっていたダニ・セバージョスやミケル・メリーノ、ケパ・アリサバラガらが復帰。そして大きく変わったのがストライカーで、ワールドカップではモラタ1人しか呼ばなかったが、今回の代表戦ではイアゴ・アスパス、ボルハ・イグレシアス、そして32歳で代表初選出のホセルも名を連ねた。

 デ・ラ・フエンテ体制の初陣となったノルウェーとのユーロ予選では、81分から出場したホセルが代表初得点を含む2ゴールを奪って3-0で勝利。ただ、スコア的には快勝だった一方で、試合内容はかなり怪しかった。前体制では前線からのハイプレスや球際での強さが徹底されていたが、そうしたものはかなり薄れており、特に前線からの守備はほぼ見られなかった。ビルドアップも左サイドはアレックス・バルデとガビというバルセロナの2人がいたことで成立したが、逆サイドは最後の最後まで苦しんだ。そしてこの“怪しい”という不安は的中する形となり、スコットランドに0-2で敗戦。即時奪還という現代サッカーのアクセントも取り入れていた前政権から、ただボールを保持するだけで攻められないという悪いスペイン代表の伝統のみが残った形だ。時間がなかったとはいえ、あまりにも戦術や約束事がなく、退化しているように見える。

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