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世の中には様々な「サッカー本」が存在している。Jリーグで活躍するプロサッカー選手はどんな本を読み、どのようにそれをサッカー人生へと活かしているのか。国内外でプレーし、解説者、執筆家の柴村直弥氏の著書『フットボーラー独学術』を読んだ岡田優希(ギラヴァンツ北九州)が読後感を綴る。(文:岡田優希)
サッカー選手としての「生きる力」
あと15年早く読みたかった…
本書を読み終えた後の第一声である。
私はここまで濃密にサッカー選手のキャリアを知ることができる本を他に知らない。事実だけでなくそこに至るまでの過程や、思考、感情など、リアルな想いを知ることができる。
「フットボーラー独学術」〜生きる力を自ら養う術〜という題名通り、筆者の「生きる力」には圧倒される。
「現状を分析し、その解決のためには何をするべきか。そしてその結果を踏まえ、次にどう活かすか」を幼少期から取り組んでいることには驚きである。
特に小学校時代の体力測定で、50m走の成績が思わしくなかったことから、自主的にダッシュ、ジャンプのメニューを作成し、3年かけて足の速さが武器になるまで成長したことには脱帽である。私も幼い頃からプロサッカー選手になることを目指し練習に取り組んできたが、そこまでの思考の深さ、行動力はなかった。
また、筆者は高校年代、大学年代で1年時から試合に出られる状況ではなかった。しかし地道に練習に取り組み、チャンスの瞬間に爆発させスタメンの座を勝ち取ってきた。
私自身もFC町田ゼルビア所属時代に、似たような境遇であったが、そこでポジションを掴み取れなかった。本書を読んでその理由が改めて客観的に整理できたし、今後はたとえその状況になったとしても強くなった自分で立ち向かえる確信がある。
さらに驚かされるのは、アルビレックス新潟シンガポール時代に、異例の半年契約を主張したことである。