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なぜマンCはインテルに勝てたのか? ルカクの怠慢で生まれた隙とは【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

マンチェスター・シティが苦戦したインテルの守備



 マンチェスター・シティがベストパフォーマンスを発揮できなかったのは、シモーネ・インザーギ監督と選手たちがしっかりと準備を行ってこの大一番に臨んだことにある。

 何と言っても彼らの守り方は素晴らしかった。第一に両WGをタッチライン際に張らせるマンチェスター・シティに対して、インテルの[3-5-2]の布陣は相性がよかった。

 レアル・マドリードが大苦戦したジャック・グリーリッシュとベルナルド・シウバの両WGに対して、インテルは必ずと言ってよいほど縦と中のドリブルのコースを切る“ダブルチーム”で対応。シウバに関しては、右SBで先発出場したジョン・ストーンズとのポジションバランス的にそもそも仕掛ける機会が少なかったが、グリーリッシュのサイドはデンゼル・ダンフリースorニコロ・バレッラ+マッテオ・ダルミアンorフランチェスコ・アチェルビで徹底的に封じ、結果的に最多の15回のボールロストを誘発することに成功した。

 一方で中央のレーンではバレッラ、マルセロ・ブロゾビッチ、ハカン・チャルハノールのハードワークが際立った。普段はあまりミスをしない相手に対してミスを誘発させる素晴らしいカバーリングやタックルで、マンチェスター・シティにスペースを与えなかった。

 加えてツートップのエディン・ジェコとラウタロ・マルティネスも状況に応じてサイドや中央にポジションを下げて守備を行うことで、相手にほとんど決定機を作らせなかった。

 27分にマンチェスター・シティはケビン・デ・ブライネからアーリング・ハーランドにスルーパスが通ってこの試合最初の決定機を迎えたが、これはアンドレ・オナナがストップ。そしてこのチャンスを演出したデ・ブライネはハムストリングを痛めたことで36分に無念の途中交代と、チームとしての狙いも流れも自分たちのものにしていた。

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