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「三笘薫対策」を打ち破る手段とは? ブライトンの突破口を開いた方法【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

臨機応変だった三笘薫



 先述した通り、ルートンの右サイドにはスピードに優れたカボレがいる。マンチェスター・シティが保有権を持つブルキナファソ代表DFは、1対1の対人戦とカバーリングに優れており、22分の場面のように三笘を上回るスピードで対応してボールを奪い切るなど、好守備を連発していた。

 三笘は何度かカボレを突破しようと試みたが、同選手に縦への仕掛けが封じられたことで、前半の半ばより少し中に切り込んでインスイングのクロスを上げるというプレーに切り替えた。27分、28分と続けてこの形からクロスを上げると、三度目の正直で成功を収める。

 36分に相手の寄せが甘いとみた三笘は、右サイドから中央に入っていたソリー・マーチに向かってインスイングのクロスを供給。この狙いがピタリとハマり、イングランド人FWがピンポイントで合わせてブライトンが均衡を破った。

 デ・ゼルビ監督になってからのブライトンは先制点が最も大事と言っても過言ではなく、昨季はプレミアリーグで先制された13試合で1勝2分10敗という散々な結果に終わっている。そのためにも是が非でも欲しかった貴重な先制点を、三笘の臨機応変さがもたらした。

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