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アーセナルが生み出す“新しい攻撃”。トロサールだからこそ作れる好循環とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

トロサールだからこそ成り立つ攻撃の形


 「彼はみんなを繋いでくれていると思う」(アーセナル公式サイトより引用)

 試合後、アルテタ監督は同選手のパフォーマンスについてこのように表現した。アーセナルの“新しい戦い方”はトロサールの支えがあったからこそ成り立っていた。

 「彼は人々を引きつけるようなやり方でスペースの中を動き、他の選手たちのためにスペースと選択肢を生み出す。スペースが狭くて攻撃するのがとても難しかったのに彼は本当に上手くやってくれて、多くの脅威と可能性を与えてくれた」(アーセナル公式サイトより引用)

 たとえアーセナルの攻撃がうまくいかなくても、トロサールの気の利いたプレーが何度も“新しい攻撃の形”を成立させていたのだ。

 CFだけでなくWG、IHとして起用することができるトロサールはその”マルチロール”ぶりを活かして様々なエリアに顔を出し、アーセナルの攻撃に好循環を生み出していた。

 この”新しい攻撃の形”ではアーセナルのIHはかなり高い位置で陣取るため、必然的にミドルサードで数的不利な状況を作り出しやすい。ボランチ2選手(ジョルジーニョとジンチェンコ)が相手守備網に捕まり、最終ラインの選手がパスの出しどころに困るシーンが何度か見られた。

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