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結局、久保建英は何が凄かったのか。技術、アイデア…。サッカー日本代表の中で際立っていた能力

text by 編集部 photo by Getty Images

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久保建英が躍動


【写真:Getty Images】

 サッカー日本代表は21日、FIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選でシリア代表と対戦。慣れないアウェイの環境ながら上田綺世の2ゴールなどで5-0の大勝を収めている。これで同予選連勝スタートとなり、国際親善を含めると怒涛の8連勝となっている。



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 この試合で躍動していたのが右インサイドハーフとして先発出場し、76分までプレーした久保建英だ。32分に圧巻のミドルシュートで先制点を奪いゴールラッシュの口火を切ると、40分には鋭いパスから3点目に関与。47分には菅原由勢のゴールが素晴らしかったとはいえアシストも記録した。データサイト『Sofa Score』によるレーティングは「9.1」で、4アシストをマークした伊東純也に次いで2番目に高いものとなっている。

 テクニック、ゴール前でのインスピレーションなど本来の持ち味を余すことなく発揮しシリア代表に恐怖を与えた久保だが、その中でもとくに光っていたのがボールを引き出す動きだ。シリア代表は柔軟な久保をまったくと言っていいほど捕まえられていなかった。

 エクトル・クーペル監督率いるチームは4-1-4-1を採用したが、守備強度は不十分だった。とくにセンターバックが押し上げられないため、アンカーに入ったモハンマド・アンズの脇がガラガラ。久保は立ち上がりにそれを見抜いたのか、そのスペースを果敢に使っている。イメージしやすいように説明すると、相手の左SHと左SB、左IHと左CBから成る四角形のちょうど真ん中だ。

 6分の決定機は、まさに上記のスペースで久保がボールを引き出したことにより生まれた。味方がボールを動かしている間に四角形の中にスッと侵入し、最後はハーフウェイライン付近でボールを持った谷口彰悟からのパスを受けている。この時点でシリア代表のマークは付いていなかったため、同選手は簡単に前を向き、センスあふれるスルーパスで上田の決定機を作り出している。

 もちろん、ただ同じスペースに立っていただけではない。緩急をつけて相手インサイドハーフの前まで落ちたり、降りたと見せかけてすぐにインサイドハーフの背後をとったりと、常に首を振りながら何度も動きのやり直しを繰り返すことで、相手の守備陣を揺さぶっている。

 すぐに動きをやり直すことができるのは空間認知能力が高いということの表れでもある。先制ゴールのシーンはまさにそうで、久保は右サイドで伊東純也がボールを持った際、最初は追い越そうと動いたが、伊東が縦へのプレーをちらつかせたことでシリア代表のラインがグッと下がったのを見てストップ。すかさず伊東のマイナス方向にポジションをとり、パスを呼び込んだ。ラインが下がったシリア代表は久保に素早いプレッシャーをかけられず、同選手のミドルシュートが炸裂することになった。

 とくに前半は、久保が良いスペースでボールを引き出しアクセントをつけるシーンが目立っていた。伊東や菅原がより特徴を出せたのも、久保が相手にとって危険な場所でプレーし、注意を引きつけたことが1つの要因と言っても過言ではない。大差での勝利に、久保の細かなセンスは欠かせなかった。

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【了】

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