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リバプールで遠藤航の信頼度が上がった根拠。移籍当初から何が変わったのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

指揮官からの遠藤航の信頼度が上がった根拠



 正直なところ、これまでの起用法を見る限り、クロップ監督の遠藤への信頼度はかなり低かったように思う。

 彼が第12節までにプレミアリーグで起用された7試合は「①怪我人」「②退場者もしくは累積警告による欠場」「③2点差以上のセーフティリード」という3つの条件のうち、どれかに当てはまっていた。

 長くなるので、それぞれの条件を上記の「①②③」で表すと、デビュー戦のボーンマス戦は①&②、2戦目のニューカッスル戦は①、3戦目のアストン・ヴィラ戦は③、4戦目のウェストハム戦は③、5戦目のトッテナム戦は②、6戦目のノッティンガム・フォレスト戦は③、7戦目のブレントフォード戦は①&②といったところだ。

 逆に起用されなかった試合を見ると顕著で、ウルブス戦は90+1分まで1点差リード、ブライトン戦は引き分け、エバートン戦は90+7分まで1点差リード、ルートン戦は引き分けと、怪我人や退場者がいない状況での接戦では出番がなかった。

 これらを簡潔にまとめると、遠藤はチーム内で何かしらのアクシデントが起きた場合、もしくは余裕を持った試合展開以外では起用されなかったと結論づけることができる。

 1点リードや同点の際に起用されなかったのは、低い位置でのボールロストを恐れてのことだろう。最近は減ってきたが、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の試合では不用意な形でボールを奪われてシュートに持ち込まれるという場面もあった。

 こうしたことを踏まえると、シーズンの最終順位を左右する可能性のあるマンチェスター・シティとの大一番にて、同点のタイミングで起用されたことは指揮官の中で遠藤の評価が上がったと言える。

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