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「面白いスタッツがあります」サッカー日本代表をスペイン人指導者が考察。欧州で高く評価される気が利いたプレーの正体

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

フットボール批評オンライン 短期連載(1)

 サッカー日本代表はFIFAワールドカップ26アジア2次予選で連勝スタートを切り、国際Aマッチにおける連勝を8に伸ばしている。日本代表が結果を残し続けている要因はどこにあるのか。スペイン人指導者のアレックス・ラレアが日本代表を分析する。(取材・文:川原宏樹)



【プロフィール】アレックス・ラレア

プロ選手としてカナダでプレーした後、指導者の道に進み、欧州最高位の指導者ライセンスUEFA PROを取得する。2020年からは元スペイン代表、元ヴィッセル神戸のダビド・ビジャが主宰するサッカースクール『DV7サッカーアカデミー』日本支部のディレクター・コーチを務める。

ダビド・ビジャとアレックス・ラレア
【写真:川原宏樹】

守備が粗かったシリア代表とミャンマー代表

 11月からFIFAワールドカップ26アジア2次予選が始まった。ミャンマー代表、シリア代表と戦った日本代表はいずれの試合も5得点を挙げて快勝。これまで苦手としてきたゴール前に引いてブロックを敷くという守備的な戦術で挑んでくる相手に大量得点できっちり勝ち点3を稼ぎ、好調ぶりを見せてくれた。

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 UEFA PROライセンスを持ち『DV7サッカーアカデミー』でディレクター・コーチを務めるアレックス・ラレアは、これまでとは少し異なるアジア勢との戦いをどのように評価したのだろうか。

 ミャンマーもシリアも以上に守備を固めた戦術で、日本からの失点をできるだけ少なく抑えようと試みてきたが、アレックスはどちらのチームも守備のクオリティは高くなかったと評価する。

「日本代表が引いてブロックを敷いてくるチームに苦戦する。2試合ともそういう想定があったかもしれませんが、ミャンマー代表もシリア代表もそこまでクオリティは高くありませんでした。ミャンマーはそれぞれのプレーも質が低く、固めたブロックも粗いものでした。シリアも同じようにブロックを敷いてきましたが、完璧なディフェンスからはほど遠く隙や歪みが生じていました。そういった相手の守備に関するクオリティを考慮すると、日本にとっては簡単な試合となり5-0という結果は当然だったように思います」

 格下相手というある意味で難しい試合においても、日本代表の選手たちは高いモチベーションで臨んでいたとアレックスは評価する。

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