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アーセナルがふさいだ三笘薫への道筋。なぜブライトンは連続得点記録を止められたのか【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

アーセナルがブライトンを圧倒できた理由


 ホームのアーセナルは前線からかなりの強度でブライトンを迎え撃った。

 デ・ゼルビ監督が率いるチームは自陣からのビルドアップの際に中盤、もしくは前線に縦パスを当ててから攻撃がスタートすることが多い。昨季はアレクシス・マック・アリスター(現リバプール)とモイセス・カイセド(現チェルシー)という、スーパーな2人のボランチがいたため、相手の中盤のプレッシャーにも屈することなく、ダイレクトやワンタッチでボールを捌いて攻撃を前進させることができていた。

 しかし、今のブライトンに彼らほど優れた中盤の選手たちはいない。対するアーセナルはアンカーのデクラン・ライスを筆頭にマルティン・ウーデゴール、ハフェルツという強力な3枚が中盤に構えている。

 結果から言うとブライトンは完全にアーセナルの強度に屈した。

 中盤を経由した攻撃はライスらアーセナルのMF陣にあっさりと回収され、最前線への縦パスも、ウィリアム・サリバとガブリエウ・マガリャンイスに対応されたことで、攻撃の起点を作ることができなかった。

 攻から守へのネガティブトランジションもほぼ全てでアーセナルが上回り、セカンドボールを効率よく回収。サイドでの攻防もサカとマルティネッリのプレスバックでアーセナルが圧倒し、必然的にホームチームが相手陣内に押し込む展開が増えた。

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