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日本代表 3か月前

3年前から進歩がない。サッカー日本代表が繰り返した選手への依存【アジアカップ2023現地取材コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

失点は時間の問題だった



「あれだけセットプレーを与えたり、深い位置でロングスローを投げられたのに、本当によくDFラインが耐えてくれたなというのが正直な印象。そうならないような戦い方をもっとできた」

 勢いづいたイラン代表のハイボール作戦は止まらない。失点はまさに時間の問題という印象だった。

 試合終了間際にやはり右から左の対角線のボールを折り返され、板倉と冨安がボール処理に謝り、ホセイン・カナアニに抜け出されたところを板倉が引っかけ、PKを献上。これをジャハンバフシュに決められ、タイムアップの笛。日本代表はイラン代表にねじ伏せられ、8強敗退を強いられたのである。

 三笘と南野を投入した後、日本代表の選手たちは明らかに疲労困憊だった。象徴的だったのが板倉だ。この日は24分に警告を受け、2失点とアズムンのオフサイドになった幻のゴールにも絡むという信じがたい出来だった。

 今大会前に2カ月以上、負傷離脱していて試合勘が不足していて、インドネシア代表戦を体調不良で欠場。さらにバーレーン代表戦でも左足を打撲していて、万全の状態とは程遠かった。森保監督もそれを分かっていたのだから、彼をスタメンから外す選択があってもよかったはず。仮に先発起用したとしても、状態を見て町田や渡辺剛と代える選択肢はあったはずだが、それを実行せず、最後の最後まで板倉に全てを託す格好になった。板倉と冨安、遠藤は「絶対に欠かせない駒」だったに違いない。

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