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【写真：Getty Images】

サッカーU-23日本代表との対戦を控えるU-23ウクライナ代表

　サッカーU-23日本代表は25日、国際親善試合でU-23ウクライナ代表と対戦する。U-23ウクライナ代表は欧州予選を勝ち抜いて今夏のパリ五輪出場権を獲得したが、ロシアによるウクライナ侵攻による代表チームへの影響を、ルスラン・ロタン監督は24日の前日会見で明かしている。

「戦争の真っただ中ですが、選手自身が最大限努力した結果、五輪出場の権利を獲得しました。これはウクライナという国、国民にとって大事なことです。五輪で素晴らしいプレー、結果を残すことで、戦火にある国民を勇気づけられると考えている」

　欧州予選となったUEFA U-21欧州選手権2023では、U-21クロアチア代表とU-21ルーマニア代表をグループステージで破り、決勝トーナメントではU-21フランス代表を下して準決勝に進み、五輪出場権を獲得している。

　今回の日本遠征メンバーは国内組が中心で、予選でプレーしたチェルシーのムィハーイロ・ムドリクらはいないが、U-23ウクライナ代表にとっては五輪前の貴重な強化の機会になる。と言うのも、不安定な情勢によりウクライナ国内ではチームとしての活動がままならない状態で、「戦争によって代表チームの練習が国内でなかなかできない状況にありましたが、欧州、隣国の助けによって拠点を使わせてもらったりしている」と指揮官は実情を明かした。

　また、今回の来日に際して、指揮官は「日本国民の皆様に、ウクライナを代表してこれまでのご支持に感謝の言葉を述べたい」と意を表した。代表チームの活躍がウクライナ国民の心のよりどころになる一方で、指揮官はいかなる形であっても、ロシアが五輪に参加することに異を唱えている。

「五輪、そしてサッカーは、平和の象徴であり、祭典です。しかし、ロシアはサッカーを政治利用しようとしていると私は考えている。五輪に出場することで、自国民の感情の高ぶりを強調することになり、ウクライナでの被害が増えてしまうかもしれません。サッカーが政治的に利用される可能性があるので、私は反対しています」

（取材・文：加藤健一）