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リバプール新監督がルベン・アモリムになった場合…。遠藤航に居場所はあるのか。智将の“特徴”を分析し考察【コラム】

シリーズ:コラム text by 編集部 photo by Getty Images

遠藤航に居場所はあるのか?


【写真:Getty Images】



 一つはアンカーとしてゲームをコントロールする役割、もう一つは最終ラインの裏のスペースにも飛び込んでいくようなボックス・トゥ・ボックスの役割だ。後者は日本代表MF守田英正が務めているので、日本サッカーファンにはどういうものかを想像しやすいのではないだろうか。

 リバプールのスカッドでストレートにこの役割の選手たちを選ぶとするなら、前者はアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスター、後者はハンガリー代表MFドミニク・ショボスライが適任か。

 こう考えると遠藤は今のように中盤の絶対的なスタメンではなくなる可能性はある。ただし遠藤のプレータイムが一気に減るとも考えにくい。例えば強豪と戦うために守備強度を上げたい場合、遠藤をマック・アリスターのポジションに当てはめることになるはずだ。その際はこれまでよりも縦パスを当てる意識が求められるだろうが、知性溢れる日本代表MFなら適応する可能性は十分ある。

 何よりこのシステムであれば、遠藤は3バックの一角で起用される可能性がある。来季のリバプールは、オランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイク、イングランド代表DFジョー・ゴメス、イングランドU-21代表ジャレル・クアンサー、フランス代表DFイブラヒマ・コナテら、即戦力のCBが4人しかいない。 3バックをするには明らかに人員不足だ。

 もちろん補強の可能性はあるが、2人も3人も一気に補強できるほど潤沢な予算は今のリバプールにはない。遠藤を3バックの右や真ん中で使う機会は必ずある。

 現在の遠藤は4-3-3のアンカーとして守備職人っぷりを世界中に見せつけている。これはこれで間違いなく素晴らしい成果である。しかしポルトガル人監督がイングランド北部の港町に来ることになれば、守備的なポジションでのマルチロールとしてさらなる進化を遂げるのではないか。それはフランクフルトで長谷部誠が既に歩んだ道のりに近いことを考えると、遠藤にとっても十分可能性のある未来だ。

(文:内藤秀明)

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【了】

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