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三笘薫は「プレ動作」が違う。「勝てる立ち位置まで相手を誘導する」ボールの触り方【特集:松井大輔のドリブル分析】

シリーズ:松井大輔のドリブル分析 text by 松井大輔 photo by Getty Images

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ブライトンに所属する三笘薫はプレミアリーグでも圧倒的な存在感を放つ。Jリーグやサッカー日本代表だけでなく、世界最高峰の舞台でもドリブルという唯一無二の武器で相手に襲い掛かる。三笘と同じく、ドリブルを武器に欧州でも活躍した松井大輔氏は、三笘のドリブルをどう分析するのか。(分析:松井大輔、構成:川原宏樹)


ドリブラーには2つのタイプがある。三笘薫を分析すると…

サッカー日本代表FW三笘薫
【写真:Getty Images】

 以前にも話しましたが、ドリブルに関していえば三笘薫は頭ひとつ抜けています。世界最高峰といわれるリーグでも、特にインテンシティが高いといわれるプレミアリーグで活躍している実績が、その証明のひとつといえます。

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 ですが、僕がそう主張する理由は別にあります。

 ひとえにドリブラーといってもさまざまなタイプの選手がいますが、二分すると論理的なタイプと感覚的なタイプになると思います。論理的なタイプは得意とする型を持っており、相手との距離や立ち位置、ボールの運び方など、考え抜かれたロジックに基づいて判断をしています。一方、感覚的なタイプは瞬間的なインスピレーションに基づいていて、決まった型のようなものはないためイマジネーションが豊かと評されることが多いです。

 古今東西を見渡しても、その2タイプが混在する選手はなかなかいません。しかし、三笘はその両方を持ち合わせているミックスタイプです。ある状況に相手を追い込めば必ず抜けるというロジックを確立していますし、感性に従ったファンタジックなドリブルを見せることもあります。こういったミックスタイプは、やはり世界でも稀な存在です。だから、ドリブラーとして頭ひとつ抜けていると称賛しているのです。

 それでは三笘がどのようなロジックを持っているか説明していきたいと思います。

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