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U-23アジア杯で高井幸大が変わった。サッカーU-23日本代表優勝の立役者、19歳が克服した課題「いつも通りやれば…」

text by 加藤健一 photo by AFC

高井幸大が克服した課題「最大限に表現できた」



「攻撃のところで矢印を決めたり、ボールを持つところでもう少し自分が主導権を持ってやれればいいかなと、やりながら(プレーしながら)思っていた。最後の方はビルドアップのところも積極的に関われましたし、自分のプレーを最大限に表現できたかもしれない」

 準決勝のU-23イラク代表戦は高井らしさが存分に出ていた。大会を通じたデュエル勝率66.7%、空中戦勝率65.1%を記録するなど、ディフェンス面での強みを出しながらカード無しというクリーンな守備を披露。それに加えてイラク戦では川崎フロンターレで培ってきたキャリー能力や縦にパスをつける正確性をいかんなく発揮していた。イラク戦について高井も「攻撃に関しては上手くいったかなと思う」と手ごたえを感じる。そして、先述したように、決勝では見事なインターセプトから決勝点を演出している。

 所属する川崎フロンターレではベンチに控える試合も多かったが、3月のU-23マリ代表戦では攻撃面で一定の手応えを感じさせるパフォーマンスを見せた。その後は川崎で3試合連続の先発出場。高井は抜擢の応えるクオリティを見せ、チームはその間わずか1失点と強固なディフェンスを築いた。そんな状況で臨んだU-23アジアカップでも、高井は出色の出来を披露している。

 J1リーグや五輪に出場するU-23マリ代表、そして今回のU-23アジアカップと、高井は高いレベルの相手との対峙を通じて、逞しさが増している。U-23日本代表ではチーム最年少だが、いい意味で若さは感じなくなってきている。

「いつも通りやればやれると思っていた。もっと相手の質が高くなったり、強豪国で自分たちより質の高い相手に対して、自分たちがどうできるかがこれからは大事になってくる。決勝では正直なところ、相手の思うようにやられたと思うし、マンツーマンで来た相手に対して自分たちがどう相手をはがすかもやっていかないといけない」

 この19歳の視座は高い。残された時間は短く、パリ五輪までにやれることは限られているかもしれないが、19歳の高井が今まさに急勾配の成長曲線を描いている。本大会メンバーに選出されればさらに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるのではないか、という期待は膨らむ。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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