「マンツーマンだとそういうキツさがあるので…」
そうした中で札幌は自陣リスタートの流れから、中盤の駒井を起点としたコンビネーションで磐田のディフェンスに隙を作り、FW鈴木武蔵が相手センターバックを引き出した背後に、右サイドから近藤友喜が抜ける形で、9分に幸先良くリードを奪う。
しかしながら、次第に雨が強くなったこともあり、ボールがイレギュラーバウンドしたところを磐田側に奪われて、間一髪でGKの菅野孝憲が処理したり、FWとバトルに行った岡村の背後を大﨑がカバーして切り抜けるといったシーンは一度や二度ではなかった。
前半の終わりには磐田が、立て続けにビッグチャンスを作った。右サイドバックの植村洋斗のクロスにジャーメインが飛び込むが、ギリギリでミートできなかったボールがゴール左に外れた。さらにジャーメインが引いた位置で競り勝ったところから、ジョルディ・クルークスが右サイドを突破して、逆サイドから走り込んだ松本昌也がクロスに合わせてゴールネットを揺らしたが、オフサイドに救われる格好となった。
もちろん札幌にも追加点のチャンスはあり、ディフェンスリーダーとして支えた岡村も「欲を言えば、前半はあの得点以外にも二本ぐらいチャンスがあったので。そこで決め切れていたら」と振り返る。
それでも磐田の縦に速い攻撃に対して、岡村と大﨑が2トップを何とか弾き返し、ワイドストッパーの高尾瑠とパク・ミンギュが対面のサイドアタッカーをマンツーマン気味に抑えつつ、セカンドボールなどの局面には柔軟にカバーし合う集中は徹底していた。
岡村は「ジュビロが徹底してFWがサイドに流れて、センターバックに付いていかせるというやり方をしていた。僕らも体力は無尽蔵じゃないですし、ジャーメインが流れた後に渡邉にも走られると、両方とも僕がカバーリングに行かなきゃいけないので、心拍数が上がった状態でプレーしていた。マンツーマンだとそういうキツさがあるので。前半は個人的にはきつかった」と語る。