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Jリーグ 2か月前

青木義孝がV・ファーレン長崎を一変させる可能性がある。J1昇格へ正念場、新加入DFの「吸収」と「還元」【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by Getty Images

「最後のチャンス」で奮った青木義孝「前日はめちゃくちゃ緊張しました」

 青木は拓殖大学を卒業した2021年、ジュニアユース年代からユース年代を過ごし、当時J2に所属していた町田へと入団。念願叶ってプロとなったものの、Jリーグでの出番は得られないまま翌年にはJFLのラインメール青森への期限付き移籍となる。ここでは2シーズンにわたってレギュラーポジションを掴み、今季町田へと復帰したがやはり出場機会は訪れず。そして選択肢に浮上したのが、J1を目指す長崎への期限付き移籍だった。

 東京から、離島を除き最も西の県へやってくることとなった青木は、荷物とともに「今回のチャンスが最後」というほどの覚悟を持参する。練習から持ち味の「走力や球際の強さ、対人の強さ」を全力で示すと、第26節・横浜FC戦でスターティングメンバーとしてJリーグ初出場。のちに「(試合)前日はめちゃくちゃ緊張しました」と笑ったが、「前日緊張しきって、会場には良い状態で行けました。率直に楽しかったというのがまず一番に出てくるところ。思っていたより緊張もせずに、良い状態で試合に入れたかなと思っています」と振り返った。

 この試合で堅実な守備を披露し一定の評価を得ると、山口戦までリーグ戦3試合連続でスタメン出場。また、試合ごとに出場時間を伸ばし、山口戦では最後までピッチに立った。

 下平隆宏監督は常々「できるだけサイドバックで交代枠を使いたくない」と話しており、その期待に1つ応えた形だ。他方で「(青木は)70点を常に出せる選手。ただ、90点から100点近いものは出ないし、30点はないという選手です。平均的な70点を出し続けられる選手という点では安定感がある。ただ、彼がもう1ランク上の選手になるためには、飛び抜けた武器を身につけなきゃいけない」とハッパをかける。

 実際に、どの試合でも対人守備は安定している反面、攻撃でのクオリティには改善の余地がある。「質が伴わない時もあるかもしれないけど、繰り返しのアップダウンの量で稼ぐタイプ」という下平監督の青木評は、山口戦で顕著に表れた。

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