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Jリーグ 2か月前

ヴァウドの涙は止まらなかった。なぜなら…。V・ファーレン長崎で見せる素顔。キツい状況で起こした行動とは…【コラム】

text by 椎葉洋平 photo by Getty Images

兄貴肌の「ヴァウ兄」が涙した瞬間

V・ファーレン長崎DFヴァウド
【写真:Getty Images】

「彼は怪我をしていて、なかなかコンディションが上がってこない中でもすごく良い準備をしてくれていました。『ヴァウ兄』と呼ばれるぐらい兄貴肌で、いろんな選手にアドバイスしたりと選手の見本になるようなプレーヤーです」

 前半に2点のリードを得た長崎は、後半に入っても試合を優位に進めていく。49分には高い位置でのプレスでパスコースを制限し、読み通りに秋野央樹がカット。マテウス・ジェズスが相手2人を引き付け、最後はフリーのマルコス・ギリェルメが右足で決めた。その後1点を返されたものの、試合終了間際には途中出場の笠柳翼が秋野とのワンツーでペナルティエリアに侵入。個人技でDFをかわし、右足で決めて試合を締めくくった。

 2018年に「スタジアムシティ」というプロジェクトが始動し、この日を迎えるまで約6年。完成までの年月を考えると、この日を待ち望んだ人々の思いを考えるとあっという間の90分間。それでも確かに記憶に刻まれたピーススタジアム初戦で、チームは最高のスタートを切った。

 試合後のピッチでは、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)が発表された。

「本日のMOMは、背番号6番。マテウス・ジェズス選手でした」

 先制点を挙げ、3点目のアシストも記録しただけに納得の選出だ。マイクを受け取ったマテウスはまず感謝を述べ、しかし続いて「特に頑張っているヴァウドのことを僕は選びたい」とヴァウドを呼び寄せた。背番号4はスタンドの各方向に頭を下げて感謝を伝え、マイクを持つ。その目からは涙が溢れていた。

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