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「今までとは違う」。攻撃パターンを失った横浜F・マリノスで渡辺皓太は何を思う? 「“これ”といったものがないので…」

text by 水野裕介 photo by Getty Images

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渡辺皓太
【写真:Getty Images】

売りの攻撃力はどこへ行ってしまったのか?

 気持ちの良いサッカー日和となった中で、横浜F・マリノスの選手たちは5日の東京ヴェルディ戦に向けての前日練習を行った。前々節のファジアーノ岡山戦、前節の名古屋グランパス戦と2戦連続で完封負け。2試合で喫した3失点全てがセットプレーからと、守備の課題は明確な横浜FMだが、それ以上に、攻撃に潜む課題は深刻かもしれない。

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「暑すぎず寒すぎずちょうどいいかなって感じです(笑)」。そう感想を述べた渡辺皓太は、特に天気の好き嫌いはないそうだ。

「2連敗ともセットプレーでやられているので、そこは改善しなければいけない。他の守備のところはある程度うまくできているのでもったいないですし、もっと集中しないといけないと思います」

 渡辺としては、流れの中での守備には手応えを感じている様子。実際に、スティーブ・ホーランド新体制になった今季は、シーズン前のキャンプから守備の練習を徹底している。4バックを採用している現在はキャンプ中の3バックとは構造は違えど、プレスに行くところと行かないところの判断基準は基本的には同じだ。

 それよりも、渡辺のコメントからは攻撃面をどうにかしたい気持ちが垣間見えた。

「ボール保持をもっと長くしたい。ボールを奪ったあとの保持の部分は前節は相手に上回れてしまったので、守備よりもこっちのほうが課題かなと思います」

 アンジェ・ポステコグルーが監督に就任した2018シーズン以降、横浜FMは2023シーズンを除いたすべての年でJ1の平均ボール支配率で1位に輝いている。(Jリーグ公式データ参照)

 実は、今シーズンここまでも柏レイソルに次ぐ2位のボール支配率を誇る横浜FMだが、渡辺の言うところは“効果的な”ボール保持ができていないという意味だろう。ただ、監督からのリクエストは「特にない」と言う。言い換えれば、選手たちに委ねられているとも言える。

「今までとはやっぱり違う。守備のところでは決まりごとが多くて、しっかりとそこはできている。攻撃の面では“これ”といったものがないので、だからこそ選手の発想だったりが求められてくる。もちろん試合によって(監督から)提示してもらう形はあるけど、それを選手がどう工夫してオリジナリティを見せることができるかが大事かと思います」

 現在の横浜FMのサッカーは、ポステコグルー監督が基盤を築いた魅力的なアタッキング・フットボールからは少し離れているかもしれない。それでも、チームが上昇気流に乗るために渡辺は前を向く。

「チームがやっていることを信じてやならいと結果はついてこないので、しっかりとやり続けていきたい」

 キャプテンの喜田拓也やジャン・クルードが怪我から復帰してきたことで、ボランチのポジション争いはより激しいものとなる。26歳と脂が乗ってきた渡辺は、横浜FMの攻撃の舵取り役になれるだろうか。今後のプレーに注目したい。

(取材・文:水野裕介)

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【了】

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