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Jリーグ 8か月前

そこにあるのは絶望か? 横浜F・マリノスは同じ失敗を繰り返す。懸命にもがく選手たちの思いは伝わるが…【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

決定的な違い。横浜F・マリノスにとって致命的なのは…

「負けているチームは必ず何かリアクションを起こしてきます。そして、どのチームでも90分通してプレスを続けることは難しいこともあります」と言う通り、清水は乾らを入れて攻撃にテコ入れをし、一方のマリノスは時間の経過とともに運動量が落ちてきた。気が付けば形成は逆転し、マリノスはサンドバック状態になっていた。

 清水の修正についていけなかったのが、マリノスにとっては致命的だった。ハイプレスをかけられるとビルドアップが機能不全に陥る。何もこの試合に限った話ではない。これまで解消できていなかった課題が、そっくりそのままこの試合でも出ていた。

 90分の中で展開はめまぐるしく変わる。相手の出方が変われば、それに合わせてこちらの出方も修正していかないといけない。ただ、ここまでの戦いを見るに、合理的に有効な解決策をベンチから提示できたケースは少ない。選手たちの言葉から読み取る限り、この日も劣勢となった後半に明確な指示は選手たちに伝わっていないようだった。

 過密日程には同情の余地があるが、その中でもあまり選手を替えない姿勢は、同じくトップリーグでの監督経験が乏しかったハリー・キューウェル元監督と似ている。選手起用を含めたマネジメントと試合中の采配の質が、タイトルを獲ったアンジェ・ポステコグルー元監督とケヴィン・マスカット元監督との決定的な違いと言えるだろう。

 イングランド代表、そしてチェルシーで数々の名将に仕えてきたホーランド監督だが、監督としての実績は無いに等しい。動かないのではなく、動けないのではないか。そんな邪推もしたくなる。

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