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Jリーグ 4週間前

「毎日が苦しくて…」山下諒也はそんな日々を乗り越えガンバ大阪で全てを注ぐ。「危機感」を熱に変え、試合に変化を与える【コラム】

シリーズ:コラム text by 高村美砂 photo by Getty Images

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 164cmという小さな身体で、山下諒也は Jリーグという厳しい環境を生き抜いてきた。「一番下から」と自覚して始まったプロキャリアは6年目を迎える。目の前の試合に全てを捧げるそのプレースタイルは、スタジアムを沸かせ、ガンバ大阪にエネルギーを注ぐ。(取材・文:高村美砂)

自分でもびっくりするほど…


【写真:Getty Images】

 ゴールから約27〜28メートル付近だっただろうか。一森純のゴールキックにいち早く反応した山下諒也は、そのボールを絶妙な左足のトラップで収め、相手GKが飛び出しているのを確認して右足を振り抜いた。

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 美しい弧を描いてゴールネットを揺らしたループシュート。ビハインドを追いかける展開の中、15分に決めたその同点弾は、チームに貴重な勝ち点1をもたらした。「純くん(一森)を信じて、絶対に純くんならいいボールを蹴ってくれると思って信じて走ったら、最高のボールが来た。僕はトラップして決めるだけでした。びっくりするくらい自分のイメージ通りに決まりました」
 
 ゴールの瞬間、ものすごい勢いでピッチを駆け、控えメンバーのもとに駆け寄って喜びを露わにした姿とは対照的に、試合後のヒーローインタビューでは冷静に得点シーンを振り返り、仲間への感謝を口にしていたのも印象に残った。

 4月20日に戦ったニッパツ三ツ沢球技場でのJ1リーグ第11節・横浜FC戦。ケガから復帰後ということでは、先発に返り咲いて 2試合目。前節・名古屋グランパス戦でもゴールを奪っていた山下はこの日も右サイド MFとして躍動した。

「ガンバのためだけにプレーしようと思っていました」

 古巣戦だということは頭から外していたという。もっとも、かつてはホームスタジアムとしてプレーしたこともある三ツ沢競技場だピッチに立てば自然と昂るものはあったが、むしろその空気も味方につけた。

「観客席とも近い、素晴らしいスタジアム。本当に素晴らしい雰囲気の中でプレーさせてもらいました」

 いつだって全力疾走。気持ちがいいほど、山下はその胸の内をプレーで表現できる選手だ。

 勝ちたい、点を取りたい、ゴールに近づきたい。だから、目一杯でピッチを駆け、ゴールを目指す。プロになった時からその胸に携えてきた『危機感』を熱に変えて。

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