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Jリーグ 1か月前

「毎日が苦しくて…」山下諒也はそんな日々を乗り越えガンバ大阪で全てを注ぐ。「危機感」を熱に変え、試合に変化を与える【コラム】

シリーズ:コラム text by 高村美砂 photo by Getty Images

「プロの道を諦めるかも」「なかなか契約が決まらず 」

「大学卒業後、僕は本当にギリギリで、東京ヴェルディにプロ契約をしてもらったんです。練習にはずっと参加させてもらっていたんですけど、(プレ)シーズンが始まってもなかなか契約が決まらず 正式に話をいただいたのは、キャンプが終わったあとでした。」

 そんな状況だったから、練習に参加している時はもう、毎日が苦しくて。プロの道を諦めることになるかもなって考えると、勝手に泣けてきて…本当に人生のどん底にいました。大学までは自信満々でサッカーをしてきたしプロになれると信じて疑わなかったんですけどね。でも、そんな状況に置かれて、自分にはその程度の価値しかないんだな、と。

 だから、契約してもらっても『自分はプロサッカー界で一番下からスタートする』ということを自覚して、それまでやってきたことへのプライドは全部捨てました。そして、先は見ず、チャンスをもらった目の前の 1年に自分の全てを注いで、やり尽くしてやると決めました」

 事実、その熱が今も余すことなくプレーで表現されるからだろう。山下がボールを持つと、スタジアムはいつも一気にボルテージを上げる。

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