ブロックとプレッシングはグラデーション
最初に前提として、ブロックとプレッシングの違いについて共有しておきたい。浦和レッズのスコルジャ監督は［4-4-2］のボール非保持で最も尖りを見せる監督である。［4-4-2］のゾーンディフェンスと語られることも多いスコルジャ監督のスタイルだが、現代サッカーにおいて、完璧なゾーンディフェンスは存在しない、完璧なマンマークが存在しないように。両者はグラデーションのように行ったり来たりするものとなっている。
ブロックは相手の攻撃を防ぐための守備ラインを形成し、相手の選択肢を制限する戦術となる。わかりやすく言うと、相手のボール保持者へのプレッシングは常に行われるわけではない。相手の状況に応じて、ブロックからプレッシングへ移行することが常となる戦術でもある。例えば、相手のセンターバックにボールを持たせて、じっとしているような守備がブロックである。
プレッシングは相手がボールを持っているときに、果敢にプレッシャーをかけ、ボールを奪うことを目的とした戦術となる。わかりやすく言うと、ボール保持者へのファーストディフェンダーを常に明確にし、ボール保持者から時間を奪うことで、相手の攻撃の精度を落としボールを奪い取ることを目的としている。
この両者にプレッシング開始ラインの高さを加えることによって、ハイブロック、ハイプレッシング、ミドルブロックなどなどがよく使われる言葉として耳にしたことがあるだろう。つまり、ブロックとプレッシングもプレッシング開始ラインもある意味ではグラデーションのなかで存在している。
今季の浦和はサンタナと松本泰志によるハイプレッシングが機能する試合もあれば機能しない試合もあった。相手の能力によってプレッシングを回避されることもあれば、この前の試合はできたことがこの試合ではできなかったというように、自分たちが原因としてプレッシングが機能しないこともあった。
