横浜F・マリノス 最新ニュース
横浜F・マリノスは20日、明治安田J1リーグ第11節で浦和レッズと対戦し、3-1で敗れている。スティーブ・ホーランド前監督を解任して臨んだ最初の試合を白星で飾ることはできなかったが、加藤蓮の止まっていた時計の針が再び動き始めた。苦しむマリノスにとって、加藤の復帰は希望の光になる。(取材・文:藤井雅彦)
プロフィール:藤井雅彦
1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 ウエブマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』 主筆
恐怖心とも向き合いながら戦う
タッチラインの外に加藤蓮が立っている。引き締まった顔つきに強い決意を感じる。後半15分、待ちに待った出番がやってきた。
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「緊張はまったくしなかった。負けている状況だったので、チームを勝たせるためのプレーしか考えていなかった」
気合い十分にピッチへ。体も気持ちも、準備はできていた。
約半年前、負傷したのも同じ浦和レッズ戦だった。昨年10月30日の浦和戦で開始6分に負傷交代。左膝内側側副靱帯損傷と半月板損傷で全治6週見込みと診断された。
シーズン中の復帰は絶望的で、簡単に治る怪我でもなかった。万全を期すために手術を行う選択肢もあった。ただし、その場合は復帰時期が遅くなって今季開幕には間に合わない。結果として保存療法を選んだ。
痛みと付き合いながらの日々は昨季終盤、そしてオフシーズンも続いた。痛みだけでなく恐怖心とも向き合う。すべての事象から逃げない。自身の選択が間違っていなかったと証明するために、リハビリに取り組んだ。
1月の始動日時点では左膝にテーピングを巻いていた。「キックのところで怖さはあるので、もっと自信を持ってやれたら」と本音を明かし、その表情が晴れ渡っていたとは言い難い。1月下旬の宮崎キャンプ序盤で痛みが増し、全体練習から外れて調整を行うことになった。
2月中旬の公式戦開幕時期には全体練習を果たしていたが、連戦の真っ最中で試合に出場していない選手がコンディションを上げていくのが難しい時期でもある。チームとして練習試合を組めず、トレーニングも試合組とそれ以外でセパレートメニューになる日々が続く。