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Jリーグ 8か月前

「なかなか辛い期間だった」6ヶ月から加藤蓮は学び、苦しむ横浜F・マリノスのために戦う「勝てば一番うれしいから」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

チャンスを待つ日々。復帰に向けての大きな一歩

 3月1日の湘南ベルマーレ戦以降は継続的にベンチ入り。今年に入って一度も実戦形式でプレーしていない不安はあるものの、チャンスがめぐってきたらプレーできる喜びを爆発させる気概に溢れていた。新監督とともに迎えた新シーズンで出遅れている以上、コンディション云々を言っていられる立ち位置ではなかった。

 しかしチャンスがやってこない。中2~3日の連戦が続いても、チームとして結果が出なくても、スティーブ・ホーランド元監督は先発変更と選手交代に消極的だった。「守備陣はあまり動かさない」という信念は揺るがず、ウォーミングアップに時間を費やす日々が続いた。

 監督交代劇から2日後の浦和戦でようやく訪れたチャンス。約半年ぶりの公式戦出場に胸が昂る。実は、3月後半の代表ウィーク中に練習試合のピッチに立ち、70分だけプレーしていた。たった70分、されど70分。復帰に向けての大きな一歩を、約1ヵ月前に踏み出していた。

 永戸勝也に代わって左サイドバックに入った加藤は、一心不乱に前を目指した。パスも、ドリブルも、そしてランニングも、すべての矢印を前へ。プレーに意志を込め、逆転勝利を目指した。

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