チャンスを待つ日々。復帰に向けての大きな一歩
3月1日の湘南ベルマーレ戦以降は継続的にベンチ入り。今年に入って一度も実戦形式でプレーしていない不安はあるものの、チャンスがめぐってきたらプレーできる喜びを爆発させる気概に溢れていた。新監督とともに迎えた新シーズンで出遅れている以上、コンディション云々を言っていられる立ち位置ではなかった。
しかしチャンスがやってこない。中2~3日の連戦が続いても、チームとして結果が出なくても、スティーブ・ホーランド元監督は先発変更と選手交代に消極的だった。「守備陣はあまり動かさない」という信念は揺るがず、ウォーミングアップに時間を費やす日々が続いた。
監督交代劇から2日後の浦和戦でようやく訪れたチャンス。約半年ぶりの公式戦出場に胸が昂る。実は、3月後半の代表ウィーク中に練習試合のピッチに立ち、70分だけプレーしていた。たった70分、されど70分。復帰に向けての大きな一歩を、約1ヵ月前に踏み出していた。
永戸勝也に代わって左サイドバックに入った加藤は、一心不乱に前を目指した。パスも、ドリブルも、そしてランニングも、すべての矢印を前へ。プレーに意志を込め、逆転勝利を目指した。